2009年1月7日水曜日

マスコミがいくら煽っても、岡田にはこれ以上の期待はできない

4試合連続ドッピエッタと大活躍の鹿児島城西の大迫勇也の日本代表入りがあるという飛ばし記事を書かなければならないほど、日本のサッカーは代表人気が落ち込んできている。サッカー人気の重心がJリーグのクラブに移ってきていることは喜ばしいことだが、マスコミはそう考えていないようだ。

あるぞ大抜てき!FW大迫勇の南アW杯(デイリースポーツ)

岡田監督が、高校選手権初となる4試合連続2得点を果たした鹿児島城西FW大迫勇に熱視線を送った。「あれだけの実績を残しているし、(キックの)振り、反転も速い。非常に楽しみなタレント」。超高校級の点取り屋に大きな期待を寄せた。

“ロンドン世代”の中心だ。大迫勇は高校選手権出場のため、今大阪合宿の招集はなし。だが岡田構想には入っており、同大会に出場していなければ「当然、呼ぶ可能性はあった。それくらいの逸材」と明かす。FWの人材不足のA代表入りにも「経験が必要だけど、それも彼次第」と成長を期待した。

岡田監督は将来を見据えた強化にも積極的で、98年仏W杯でも当時十代だったMF小野(ボーフム)を本大会で起用。DF市川(清水)を最終メンバー候補に選出した。現在もC大阪MF香川、大分MF金崎らロンドン世代をA代表に招集。同世代で異次元の力を見せる大迫勇に注目するのも当然だ。

10-11月のU-20W杯出場を逃したロンドン五輪世代の目標はA代表入りだ。岡田監督は「6月までは真剣勝負。簡単には入れない」と6月に終了する南アW杯アジア最終予選までの抜てきには消極的だが、それ以降は「この世代の強化がW杯にもプラスになる」と新戦力探しを行う。


W杯南アフリカ大会には出られるだろう。オーストラリアには及ばないかもしれないが、2位通過の力は十分にある。万が一、3位になったとしてもプレーオフを勝ち抜く力はある。
アジア予選は通過儀礼のようなもので、夏には出場が決まっているだろう。

ただし、その先はない。本大会では1勝できれば上出来。グループリーグ敗退は見えている。ちょっとプレスをかけられるとあたふたするような戦いかたしかできない監督に多くを期待するのは無理だ。

杉山茂樹さんのコラムの言葉を借りるなら、アジア最終予選で出られないかもしれないというハラハラするB級のエンターテイメントもなければ、本大会でノックアウトラウンドに進出するA級のエンターテイメントも岡田は持ち合わせていない。杉山さんは夏に決まっているなら、シーズンオフのヨーロッパで契約切れ、解任された監督とコンタクトが取りやすいし、成績が上がらないが力がある中堅国の監督がフリーになっている可能性があるとも言っている。しかし、犬飼会長は本戦まで岡田で行くと言ってしまった。

つまり、先が見えた日本代表サッカーは同じサイクルで本大会出場をマスコミが煽り、第2戦まではまだまだと盛り上げ、そしてすぐに他の国の戦いに転じるといういつものパターンを繰り返す。そのことをファンはよく知っている。シドニー五輪でベスト8、W杯日韓大会でベスト16というワクワク感は岡田である限り味わうことができないのだ。

それよりもJリーグのほうが面白いのだが、磐田の入れ替え戦でさえ、静岡のメディアはやさしげだったそうだ。

ヨーロッパなら地元のクラブがふがいなければ、監督更迭や戦犯探しでそうとうに盛り上がったはずだ。

そう北京五輪で惨敗した野球の星野が徹底的に叩かれたように、それまでの実績などなかったかのように袋叩きにあう。

そういう雰囲気は野球にはあっても、サッカーにはない。杉山さんはこのことをサッカーはメジャースポーツからマイナースポーツへ転落したとコラムに書いた。

彼の言う通り、日本には危機感がない。岡田で本戦に行けたらいいという雰囲気しかないのだ。そのあとの見通しは何もない。

アテネ五輪、W杯ドイツ大会、北京五輪の総括は誰にでもできる表面的なもの。公表されなかった野球よりはましかもしれないが、商業主義の日本サッカー協会は変わらず、読売新聞の渡邊会長のような未来を見ないで発言するような独裁者になりつつある。

監督を代えればいいというわけではなく、スターが現れればいいといういわけでもない。
将来が楽しみというレベルまで戻す必要がある。

そのための話し合いが行われることを切に願う。

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