2009年6月23日火曜日

当たり前のことを今更褒められる岡田って誰だ?

サッカー監督が選手のコンディションを気遣うことは初歩の初歩。こういうことを改めて強調されるとは思わなかったのだが、Number Webはよほど書くことがなかったのだろうか。

選手をほぼ無傷で帰還させた
岡田監督のマネジメント力。
(Number Web)

調整に苦しんだ選手の姿を、いくつか目の当たりにしてきた。

ウズベキスタン戦では内田篤人が発熱で体調を崩し、試合を欠場してしまった。「どんな場所でも眠れる」というチーム一、タフガイの長谷部誠ですら、ウズベキスタンに向かうチャーター機でまったく眠れなかった影響もあって、タシケントでは練習を途中で切り上げて出場を危ぶまれたことがあった。

興梠慎三は発熱、玉田圭司からは「ちょっと体調がよくない時期もあった」と後日、打ち明けられたこともあった。取材を進めれば、そんな声がもっと拾えたかもしれない。

そして、オーストラリア戦では中澤佑二が発熱によって、メルボルンに渡ってから練習に参加できなかった。試合前日にやっとピッチに姿を現したものの、軽いランニングだけで、とても試合に出場できるようなコンディションではなかった。

コンディション管理における中澤の徹底ぶりは有名だ。睡眠、食事を大事にして、摂生を続けるそんな彼が、体調を崩してしまったことに、今回の遠征の過酷さが表れている。カタール戦の前日には、「みんな結構疲れていると思う」と自分のことよりも先に、周囲を心配していた。主将としての気苦労が多少なりとも、あったのかもしれない。

W杯出場を決めたウズベキスタン戦での勝利の後、カタール戦はホームで引き分け、さらにオーストラリア戦は前回のドイツW杯の再現を見るかのような不甲斐ない逆転負け。持ち味のパスサッカーが展開できず、攻守にわたって課題を多く残したのは事実だ。ただ、その戦いの裏では国内2連戦→タシケント→横浜→メルボルンという日程と予選突破の重圧によって、精神的にも体力的にもギリギリの状態で選手が戦っていたことを忘れてはならない。


この書き方だとW杯アジア最終予選で苦戦したのはすべてコンディションが悪かったからという言い訳にも見える。岡田さんを擁護するにしてももっと他に書き方があるだろう。

逆にいえば、主力がコンディション不良が起こったとき、日本代表はもう戦えない集団になるのだということを認めたと同じではないか。サッカーコラムを書いているくらいだから、サッカーに関して無知というわけではないだろうに、なんだろう、この素人くささは。提灯記事を書けとデスクに命令されたのだろうか。

アジアでの戦いを軽んじることなく、真摯に対応したことで世界最速のW杯出場を決めることができた。さらにケガを抱える中村俊輔や、1年間ほぼフルで戦ってきた本田圭佑ら欧州組を休ませることができ、中澤佑二以外はダメージを残さずに各クラブに帰すことができたのは意義深い。中澤にしても軽症であるし、間もなく復帰することだろう。

1年後の本大会に向けたコンディションづくりが始まっていることを考えれば、ほぼ無傷で生還させた指揮官のマネジメントの部分はもっと評価されていい。


世界最速で決めたということに何の意味があるのだろう。今だに理解ができない。単なる日程の問題だろう。予選の日程上、アジアが最速になるのは当然だし、Group Bに比べてGroup Aがイージーだったことを思えば、日本の最速の突破は必然だった。しかし、それでシードになるわけでもないし、グループステージを免除になるわけでもない。

今回の予選でも怪我人が出なかったというが、テストもされずに帰ってこなければならなかった選手も大勢いる。クラブでやっているポジションとは別のところで試された選手もいる。マネジメントではかならずしも成功とはいえない。

横浜Fマリノスの監督時代にはクラッシャーとも言えるくらい、選手を壊しまくった岡田さんにしたらましになったと言えるかもしれないが、それでもクラブから預かった選手を無事に返すのは当たり前のこと。

そんなことしか褒められない監督で、大丈夫なのかとすら思う。

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