Japan:Okazaki 9
Uzbekistan 3.85 draw 3.30 Japan 1.82(bwin)
ウズベキスタン戦後 岡田監督会見
2010FIFAワールドカップ・アジア最終予選(スポーツナビ)
――審判のジャッジについて
ジャッジについては、試合が終わって言うべきことではないと思っています。ただ、わたしは監督生活の中で初めて退場になりました。選手に指示を出したつもりだったんですが、勘違いされた。よっぽど自分の表情が悪かったのかなと思っています。
これは前半に4th Officialではなく、主審を呼んでクレームをつけたことも影響しているだろう。少なくともこの監督は主審のジャッジを尊重しないという認識を持たれたことは間違いない。
犬飼会長「AFCへ提訴する」/W杯予選(サンケイスポーツ)
サッカーW杯アジア最終予選(日本1-0ウズベキスタン、6日、タシケント)終盤にMF長谷部が相手選手へのラフプレーで一発退場となり、岡田監督まで退席処分を受けるなど、不可解な“アウェーの笛”が相次いだことについて、現地で視察した日本サッカー協会の犬飼基昭会長は試合後、「AFCへ提訴する」と怒りを口にした。
シリア人のバスマ主審のレフリングが不公平だったとして、抗議する意思を示したものとみられる。W杯出場が決まった一戦は、後味の悪いものとなった。
長谷部のレッドはジェパロフの顔面に肘が入っているから、多くの主審は同じような判断をするだろう。アドバンテージをとったからおかしく見えたのだろうが、ヨーロッパではアドバンテージをとったプレーでもラフプレーにはカードを出す。そのことを知らずに提訴しても笑われるだけだろう。遠藤の肘打ちがレッドではなく、イエローだったことも幸運に思わなければならない。あれがレッドという可能性だってあったのだ。
それに、日本の吉田寿光氏がウズベキスタン vs. バーレーンのゲームでウズベキスタンのPKでミスジャッジをして、ウズベキスタンのプレイオフ進出をなくしている。その恨みをウズベキスタンが持っていたとしてもおかしくはない。そういうことはなかったこととして忘れているのだろうか。記憶喪失にもほどがある。
――このチームは前から集団でプレッシングをかけてボールを奪うことをコンセプトとしているが、今日のようにそれがうまくいかなかった場合はどうすべきと考えるか
プレッシャーをかけにいくと(相手は)蹴ってくる。これはわれわれにとって困ったことではなくて、問題はこぼれたボールをつなげていけなかったところ。足が止まったというコンディションの問題もあったかと思いますが、でも、耐えた中でチャンスにもう1点取れれば。試合運びとしては問題ないと思っています。
ヨーロッパの列強はプレスをかけても平気でつないでくる。日本はプレスをかけられるとどんどん下げる。その違いをどう考えているのだろう。安全策だけを採っていても勝てないわけで、ボールが拾えなかったのはなぜかを精査しなければならない。アジアレベルでちょっとコンディションが悪いくらいでボールが奪えないなら世界では到底戦えない。
――最終予選は残り2試合あるが、どう戦っていくか? あと1年、本大会に向けて何をどう詰めていくのか? また、ゴール前の選手の動きをどう考えるか?
残り2試合に関しては、代表チームが集まれる貴重な機会なので、けが人などを除いたできるだけのベストメンバーで戦いたいと思っています。それは強化と思っています。それとともに、この1年は、まずいろんな経験を選手にさせたい、世界のトップレベルの経験をさせたいと思っています。ゴール前に関しては、今まで通り、われわれには絶対的なストライカーがいない中で、(ゴール前に)人が飛び出して行くと。今日はなかなかそこまでやらせてもらえなかったですが、こういことは当然あると思っています。ただ方向性を変えるつもりはない。やり続けたいと思っています。
どういう方向性なのか、まったくわからない。岡田は監督を続けるならそこから明確にすべきだろう。彼のサッカーは中央突破一点のみでワクワクするようなサッカーではない。そういうサッカーを目指すなら攻撃的というべきではないし、プレスをかけられておたおたするようでは戦えない。昨日の試合でもプレスをかけられてボールを奪われ、全員が戻って堪え忍んだかたちだった。あれでベスト4というのだから恐れ入る。どんな世界観を持っているのだろう。
まずはドイツでベスト16だったオーストラリアにアウェイでしっかり勝つこと。それができなければベスト4などありえない。
試合後 ウズベキスタン代表カシモフ監督会見
2010FIFAワールドカップ・アジア最終予選(スポーツナビ)
――今日の試合は残念だったが、試合内容は非常に良いパフォーマンスだったと思う。今日のフォーメーションが、本当に効果的だったと考えるか?
今日の試合でジェパロフを右サイドに移してフォーメーションを変えた。今日のフォーメーションが効果的だったかどうか、もちろん負けてしまったので効果的ではなかった。先制点を目指して前に行って、大きなミスを犯して点を取られてしまった。
こういうひねりは面白い。負けてウズベキスタンはさらに強くなるだろう。どこが悪かったかわかっているし、きちんとメディアにも答えている。こういうレベルの監督が日本にいてほしいが、そういう人間は監督にはなれない。日本はなんと人材に恵まれていないのだろう。
回避できた苦しみ (1/2)
日々是最終予選2008-09(タシケント編)(スポーツナビ)
「なかなか自分たちのサッカーをさせてもらえないところがありましたが、そういう中でも1対1の競り合いに負けない彼らのメンタリティー、これは非常にタフになってきた。まずは選手が、よく頑張ってくれたことに感謝したいと思っています」
確かに今日の試合は、GK楢崎正剛、そしてキャプテン中澤佑二を中心とする守備の選手は、本当によく頑張ってくれた。今日の勝利の半分は、彼らの体を張った守備の賜物(たまもの)であったといえよう。だが、ここで考えなければならないのは「なぜ日本は防戦一方になってしまったのか」、言葉を換えるなら「なぜ日本は“自分たちのサッカー”をさせてもらえなかったのか」、これに尽きるのではないだろうか。本大会出場の祝賀ムードが溢れる前に、このテーマについてきちんと検証する必要がある。さもなくば来年、またしても日本は、グループリーグ3試合で大会を去ることになりかねないだろう。
これはほとんどのファンが持っている認識だ。格下のはずのウズベキスタン相手になぜ防戦一方になってしまったのか。プレスをかけられてもパスでかわす能力を身につけているはずではなかったのか。それなのに相手ペースになって、日本のパス回しができなかったのはなぜか。
こういうことに岡田はまったく答えない。いや、はっきりいえば答えられない。世界基準のサッカーを理論でしかしらないからだ。ヨーロッパを数年放浪してサッカーばかりを見ていればおのずと気付くだろうが、岡田はそれほど勤勉ではない。
世界でのパス回しには定石がある。安易には後ろに下げず、全体を見られるプレーヤーがチームに数人はいる。そして、パスをもらうために動いてスペースを作る。自然にパスコースが増えてプレスをかけられてもつなぐことができるようになる。
しかし、日本代表のパス回しはとりあえずプレスが掛かっていない近くの味方にという考え方だ。だから、組織的にプレスがかかると途端にパニックになる。うしろに下げるしかなくなり、そして決定的なピンチを迎えるころになる。あるいは防戦一方になる。
すでにこの最終予選の目標を「3位狙い」としていたウズベキスタンにとって、ホームでの日本戦は「絶対に負けられない試合」(カシモフ監督)であった。日本も必勝態勢ではあったものの、ウズベキスタンの場合、事情はより切実であった。切実であればあるほど、戦術はより明確となる。この日のウズベキスタンのプランは、(1)とにかく長いボールを相手陣内に蹴り込むこと、(2)セカンドボールを拾いまくり、ポゼッションを高めること、(3)バイタルエリアを個の力で打開すること、この3点であった。このうち(3)については、キックの精度が欧州レベルの8番ジェパロフ、そしてスピード感あるドリブルと切れ味鋭い切り返しが武器の15番ゲインリフに「ほとんどお任せ」という印象が強い。確かに、タレントの数では日本が優位に立っていた。しかし結果として、勝利のためにポイントを絞っていたウズベキスタンが、試合を優位に進めることとなる。
実際、先制してからの日本は、ほとんどの時間帯をウズベキスタンに支配され、防戦一方となってしまう。新たなオプションとして注目を集めていた「憲剛システム」だが、残念ながらこうした状況に対応する術(すべ)は持ち合わせていなかった。中村憲をトップ下に置くこのシステムは、今回が実戦4試合目だったが、過去3試合はいずれも日本の圧勝に終わっている。逆に、こうした逆境に立たされた場合のシミュレーションは、まったくといってよいほど行われていなかった。味方が劣勢に立たされた場合、中村憲の旺盛な動きは、かえって空回りするばかり。ここに、最初の誤算があった。
4-2-1-3システムをとる日本は遠藤、長谷部の守備的MFのコンビではなく、阿部と今野のペアで戦うべきだった。中盤がまるで3ハーフのように戦い、全員がバランサーとして振る舞ったために、フィルターとして機能しなかった。中村憲剛がボールを失った場合にすぐに取り返すインコントリスタがいなかったのだ。長谷部は守備的にも振る舞えるがどちらかというと攻撃にも参加するインクルソーレタイプ。遠藤はレジスタで、プレイメイカーの中村俊輔、中村憲剛とゲームメイカーが3人もピッチにいた。「船頭多くして船山に登る」の諺どおり、日本の攻撃は停滞し、ウズベキスタンの時間が長く続いた。
格下で観光気分の相手には通用しても、本気の相手には通用しない。これが岡田が執ったシステムの欠点だった。中村憲剛を真ん中で使うなら、中村俊輔を外し、サイドアタッカーを入れるべきだった。サイドアタッカーはいないのだが。
今日の岡田監督のさい配については、申し上げたいことは山ほどある。とりわけ“自分たちのサッカー”をさせてもらえない試合でのさい配については、このウズベキスタン戦は大きな課題と教訓を残すこととなった。幸い、この日の相手は深刻な決定力不足に陥っていたので、何とか勝利することはできた。だが、たとえば9月にアウエーで対戦する予定のオランダが相手で、今日のような展開だったら確実に5失点は喫していただろう。W杯の本大会では、そういう格上の相手と対戦する確率の方が圧倒的に多い。それはすなわち“自分たちのサッカー”をさせてもらえない可能性の方が、はるかに高くなるということだ。となると、今日の試合のように「耐えて耐えて、1点差勝利」という戦い方についても、今のうちから確立しておく必要があるのではないか。もっとも、その戦い方というのは、すなわち第一次岡田政権の戦い方を、何となく想起させるのだけれども……。
宇都宮徹壱もジャッジのことを言っているのだが、この試合が日本以外のクラブ同士のゲームだったら、それほど違和感を抱かずに見られたのではないか。日本に不利な笛だったから不可思議と書くのであって、アウェイなら普通の笛だった。日本はゴールを不当に取り消されたりはしなかったし(大久保のゴールはオフサイドだった)、ウズベキスタンのゴール前でペナルティをとってもらえないということもなかった。同じようにFKのチャンスはあったし、長谷部のレッドも遠藤の肘打ちからのイエローを同じように繰り返したからに過ぎない。肘打ちを顔面にいれてなにもないほうがおかしいではないか。
スタート地点という話だが、確かにオランダ相手だと5点はとられているゲームだった。5点で済んだかどうかも疑問だ。それほど圧倒されていた。トルシエのようにフランスに惨敗したあと、守りを固めてスペイン戦を戦い、「守りはOK」とでもいうつもりなのか。
サッカーの攻撃と守備は表裏一体だ。野球のように攻撃だけすればいいという時間があるわけではない。ボールを奪われればすぐに守備になるし、ボールを奪えば攻撃になる。トランジションの激しいゲームだ。
しかし、昨日のゲームのように一方的に押し込まれる展開ばかりだと、格上ばかりの本戦ではドローしか狙えない。勝ち点2でノックアウトラウンドに進んだ大熊さんのような僥倖は望めないのだ。
何よりもうれしかったのが、会見場でウズベキスタンの記者から口々に「本大会出場、おめでとう」と声をかけられたことである。おそらく、今日の敗戦によって、ウズベキスタンの3位(すなわちプレーオフ進出)は、相当に困難なものとなってしまったはずだ。あれほど日本相手に攻め込み、そしてチャンスを作りながら、それでも同点ゴールを奪うことができなかった悔しさは、いかばかりのものであったか。にもかかわらず、自分たちを負かした国の同業者に対して、きちんと祝福の言葉を伝えることができる彼らを、私は心から尊敬する。もし逆の立場だったら、こうした言葉がすんなり出てきただろうか。
実はこの日は、一般席にも記者席が設けられたため、当地の人々と身を寄せ合うようにして試合を観戦することとなった。最初は机も電源もなくて「不便だなあ」と思っていたのだが、次第にこの状況を楽しめるようになった。タバコの煙とひまわりの種、そして周囲からの好奇の視線。その昔、チケットを買って東欧の場末のスタジアムを訪ね歩いた懐かしい日々が、ふいによみがえってくる。結果として、彼らと同じ目線でゲームを見ることができたのは、なかなかに得難い経験となった。老いも若きも「ウズベ・キスタン!」と祖国の名を叫び、チャンスのたびに「おおお!」というどよめきとともに立ち上がり、そしてシュートがブロックされるたびにイスをたたきながら悔しがる。試合前は「もしかしてウズベキスタンの人々は、サッカーや代表に冷淡なのではないか」と邪推してみたりもしたものだが(それくらい、タシケントの街はフットボールの香りが感じられなかった)、なかなかどうして、最後に彼らの熱い応援に接することができたのは収穫であった。
そして何より強調しておきたいのは、彼らが「グッドルーザー」であったということである。あれほどゲームを支配していたにもかかわらず、結果として0-1で敗れてしまい、あまつさえ対戦相手の歓喜の様子を拝まされることとなったのだ。国によっては試合後、猛烈なブーイングとともにピッチに物を投げつけることになっても、おかしくない状況であった。しかし彼らは、素直に自らの敗北を認め、何ら狼藉(ろうぜき)を働くことなく静かにスタジアムを去って行った。この日のウズベキスタンの戦いぶりと同様、こうしたファンの潔く敗北を受け入れる姿についても、もっと評価されてもよいように思う。
逆の立場なら、日本はおめでとうとは言わなかっただろう。日本サッカー協会の会長ですら、審判のことをあげつらい提訴すると言っているレベルの低さなのだ。W杯日韓大会で韓国びいきだった主審に比べればどれだけ公正だったか。そして、ウズベキスタンは日本の主審によってドイツへの道を絶たれた過去がある。
日本に対して祝福は贈りづらい。それでも、ウズベキスタンのチームを讃え、そして日本にも祝福をしてくれた。これは素晴らしいことで、見習わなければならないだろう。
日本はオーストラリア、韓国、オランダとともに本戦出場が決定した。これからは本戦でまずは1勝、そしてグループリーグ突破という目標に立っていかなければならない。それが現実的な目標だ。そのためには、主導権を奪われたときにどう押し返すのか、決定機をどう作っていくのかを確認しながらチームを作っていく必要がある。
今まで通りの中央突破ばかりの攻撃では1勝もできないまま帰ってくる失望が待っている。ベスト4など戯言でしかない。
2 件のコメント:
レフェリーに関しては不公平だったと言う人もいれば、
単に技術不足と言う人もいますね。
私にはどちらかはわかりませんが、
長谷部のレッドは、ジェパロフの派手なアピールも影響したのかなぁと思います。
守備的MFのコンビに関しては、
日本が格下相手の試合をするのなら、遠藤&長谷部の攻撃的なコンビでOKなのでしょうが、
昨夜のウズベクや格上相手にする場合は、
どうしても守備をする時間帯が増えてしまうので、
どちらかは守備のできる選手を置いた方が良いのかもしれません。
現状の阿部や今野の扱いは、ディフェンスのバックアップ(CBやSB、守備的MF)のようなので、
今後の試合(特にオーストラリア戦)で、彼らをテストしてくれたら面白いのですけどね。
あ、橋本もいましたっけ(笑)
>どらぐらさん
アウェイであれくらいのレベルなら、公平だったとも言えますね。
ウズベキスタンのファールもきちんととっていましたし、ゴール前でのFKもありましたから。
本当に不公平ならゴール前のファールはすべて流されますから。
レッドはジェパロフのアピールも大きかったでしょうね。
リプレイがきっちり流れなかったのでわかりにくいですが、肘が入ったかどうかは問題でしょうね。
W杯本戦で格下の相手はいませんからね。守備力が低い遠藤と上がることが多い長谷部ではバランスは崩れるでしょうね。
オシムのときは鈴木啓太がひとりで頑張っていましたが、怪我でパフォーマンスが落ちましたし。
阿部と今野がしっかりレギュラーというのがいい方向なのですけど。
今後、消化試合で岡田さんが使う勇気があるかどうかですね。
負けてもかまわない公式戦でテストできないほどの臆病者なら、辞任してもらいたいですけどね。
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