2009年2月18日水曜日

J1存在資格は健全経営のみという理論

Jリーグは公式試合安定開催基金から借金をしているクラブが、返済できない場合に自動的に降格とする厳しい処置をくだすとの決定をした。しかし、この決定では基金を返済するために他の金融機関から借金することに対する取り決めはまったく決められておらず、さらに返済が滞っただけで返済計画書を出すこともなく降格という厳しい処置はクラブ経営には合っていないのではないかという懸念もある。

借金返せなかったら自動的に“J2降格”(スポーツニッポン)

この基金は、財政難で公式試合の運営に支障をきたす事態が発生するのを防止するため05年に設けられた。今回は基金を利用したクラブの返済が滞った場合の罰則が明文化され、J1クラブが最終節までに返済できない場合、自動的にJ2に降格。J2クラブは最終節の30日前までに返済できないとJ1に昇格できないことになった。

借金=J2の厳しい罰則となったが、鬼武チェアマンは「みんなのお金でやるのだから、甘えてもらっては困るということ」と説明。過去に基金を利用したのはJ2草津とJ2岐阜だけで、現在はJ2岐阜が5000万円を借りている。


こういうシステムはヨーロッパにもあるが、厳密に運営されたことはない。ビッグクラブはほとんど赤字というイタリアでも降格というところまではいっていない。イングランドも大きな借金を背負っているクラブはいくらでもあるが、それが理由で降格ということはない。

Jリーグだけがこういうことを厳密に行うことは意味があるが、将来のサッカーにおいて、吉と出るか凶と出るかは実際に運用されてみなければわからない。

100年に一度の金融危機というなかで、健全なクラブ経営はもちろんのことだが、きれい事だけでは経営はできない。借金が駄目というのなら、日本の大企業のほとんどは降格ということになる。サッカークラブだけは特別というのでは経済理論の公平性から外れているのではないだろうか。

本当に難しい問題だが、現場と会議室では違う。このことを決めた人間が実際に現場に立った人間であることを祈りたい。

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