2009年2月12日木曜日

岡田のインタビューは首がつながったという安堵感か

2010 FIFA World Cup South Africa Asian Qualification Round 4 Matchday 5 Japan 0-0 Australia @ Yokohama International Stadium

オーストラリア戦後 岡田監督会見 (1/2)
2010FIFAワールドカップ・アジア最終予選
(スポーツナビ)

前半の途中から後半にかけて、日本の選手は素晴らしいサッカーをやってくれました。われわれがやろうとする、ボールにプレッシャーをかける、(相手選手を)サンドイッチにする、守備においては数的優位を作ってつぶしていく、攻撃に関してはサポートを速くしてボールを動かして攻めていくサッカーができました。その中で何度かチャンスを作っていたんですけど、残念ながら攻め切れずに引き分けになりましたが、選手らは本当に素晴らしく戦ってくれました。これは本当にありがたいことだと思います。

もちろん結果は真摯(しんし)に受け止めないといけないし、より精度を上げていかないといけません。特に左サイドで、なかなかいい形ができませんでした。また、チャンスの回数をもっと増やしていく必要もあります。

ようやくワールドカップ(W杯)予選が半分終わったわけですが、(われわれは)確実に進歩してきているという手応えはあります。次のバーレーン戦(3月28日)に向けて、より前進しないといけないと思っています。


週末にリーグ戦があり、さらにヨーロッパからの移動があり、すぐに試合というバテバテの選手がほとんどのオーストラリア相手に日本がここまでできるのは当たり前。ゴールが奪えなかったことに対して力不足を感じる。勝って当たり前とは言えないが、オーストラリアには怖さはなかった。決定機はなく、ボールキープもままならなかった。それに対して、日本はクラブのキャンプに入っており、コンディションは上向いていて松井大久保長谷部を除けば休養は十分だった(中村俊輔のセルティックはスコットランドF.A.カップのメンバーから中村を外していた)。しかも、松井は3分間+アディショナルタイム、長谷部は2分間+アディショナルタイムの出場で、かなり体力的にはアドバンテージがあった。岡田の言っているように実力が互角なら、コンディションがいいほうが圧倒するのが当たり前。

しかし、日本はゴールを奪うことができなかった。あわなかったという言い訳を使っているが、決定機をほとんど作れなかったことは日本の実力がこの程度だということを証明していないか。

試合後 オーストラリア代表ピム監督会見
2010FIFAワールドカップ・アジア最終予選
(スポーツナビ)

――バーレーン戦、そして日本戦が終わった今、ワールドカップ(W杯)本大会に向けての運命は決まったのか?(外国人記者)

(3位のバーレーンと)勝ち点6差でわれわれが1位で、残り4試合中3試合がホーム試合だ。今日の試合の0-0は幸せな結果で、次に進むための大きな一歩だ。(次戦の)ウズベキスタン戦は1週間の準備期間があるし、素晴らしい雰囲気の中で試合ができるので、今から楽しみにしている。

――途中からケーヒルが孤立していたように見えたが(外国人記者)

ケーヒルにとっては大変な試合だった。日本の2人のセンターバック、中澤と闘莉王が非常に戦術的にもフィジカルでも素晴らしい守りを見せたからだ。われわれとしては、もっと彼にボールを持ってもらって、周囲のサポートをすることで連動できると思ったのだが、今日はそれがうまくいかなかった。ケーヒルは今日よりもいい試合をしたことがあるのは確かだが、(今回は)日本のセンターバックを褒めるべきだ。それでも彼は頑張った。彼はここ3週間で8試合している。私としては彼に60分間プレーさせて、その時のスコアを見て考えようと思っていた。ケネディも控えていたし、あれより前に代える理由はまったくなかった。

――うれしかったこと、失望したことは?(外国人記者)

うれしかったことは、(DFの)チッパーフィールドだ。十分に準備できなかったにもかかわらず、90分間失点しなかったことに貢献してくれた。最初の10分間は戸惑いを見せていたが、その後はリズムを取り戻して非常にいいプレーをしていた。これは精神的にもフィジカル的にも良かったことを意味している。

残念だったのは勝てなかったことだ。絶対に勝てるとは思っていなかったが、試合する以上、勝ちを目指すべきだ。0-0という結果に今は満足すべきだと考えているが、本当に満足しているわけではない。


オーストラリアは2連勝すれば勝ち点16で2位以内がほぼ決まる。今日勝っていれば、1勝でも有利に立っていただけに勝っていればという気持ちがあるのは事実だろうが、これだけ動けなければピムにも手の打ちようがなかっただろう。ケネディをトップにケイヒルをシャドーにという方法もあっただろうが、ケネディは週末の試合に出ていないとはいえ、動けるかどうかは未知数。大きな選手が動けないというリスクは冒すべきではなかった。それに日本以外にもっと楽な条件で戦える相手もいる。そういう計算だろう。無理をしなくてもドローでも首位は守れるわけで、勝ち点差も縮まらない。残り試合を消化することに意味があったということか。

これからの道が大変というのはオーストラリアではなく、日本に言えることだろう。ピムに聞かなければならないほど、日本のサッカーが素晴らしいかどうかということが記者にもわからなくなっている。こんな状態で勝てるわけがない。

またマチャラの策にはまってしまうのではないか。そんな不安もある。

緊急アンケート岡田監督「辞めろ」65%(サンケイスポーツ)

サンケイスポーツは試合終了後、日産スタジアムに駆けつけたサポーター100人に緊急アンケートを実施した。内容は今後も岡田武史監督に代表監督を続けてほしいかどうかで、「辞めてほしい」(×)が65人、「続けてもらいたい」(○)が35人だった。

×と答えた人は「内容も結果も伝わらない」「煮え切らない」「選手起用がおかしい」などの意見が多く、〇と答えた人は「誰がやってもいっしょ」「岡田監督を応援したいから」という意見が多かった。


ファンのサッカー関心度は上がっているかというと、上がっていると答えざるを得ないだろう。少なくとも、ジーコ解任騒動を起こしながら、アジアカップ優勝で手のひらを返してジーコ支持に回ったときよりは考えているのではないか。

ジーコでは本戦は勝てないと書き続けたときには、サッカーをあまりにも知らないという意見もあったのだが。今では誰がなっても日本は勝てないという意見が多い。

そうではなく、なぜジーコでは駄目だったか、オシムだったら今どうなのか、岡田の未来はどうなのかをきちんとこれまでのサッカーから判断して、予想しなければならない。その上で、感情ではなく理性で日本代表を任せるべき監督は誰なのかを考えるべきだ。

そのためには目標設定が不可欠で、南アフリカに行くだけなら岡田で十分だろうし、1勝するためにはもっと国際経験がある監督にすべきだろう。グループリーグ突破のためには日本と同じレベルの国を率いて躍進させた監督が必要だろうし、優勝させるのは今のところ誰でも難しい。

こういう予想はきちんと行わなければならない。目標をいつもうやむやにしているから責任問題も総括もおかしくなってしまう。

日本の進路が決まった日 (1/2)
W杯アジア最終予選 日本代表対オーストラリア代表
(スポーツナビ)

見る者にとっては、少なからずの消化不良を感じさせた今回のオーストラリア戦。だが、この日スタンドに詰めかけた6万5571人の観衆は、ある意味「歴史的な瞬間」に立ち会ったとも言える。なぜなら、この日「世界(=オーストラリア)」に負けなかったことで、少なくともW杯本大会が行われる来年の6月までの日本の進路が(ほぼ)決まったからだ。

最終予選は、残り4試合。だが、日本がバーレーンやカタールにホームで敗れることはないだろう。また、意気消沈のウズベキスタンや、同じ“勝ち組”のオーストラリアに対して、アウエーで痛手をこうむる可能性も少ないはずだ(最終節のオーストラリア戦は、現状では消化試合となる公算が高い)。よほどのアクシデントがない限り、日本は間違いなく最終予選をクリアする。となれば、チームが目指す方向性や、それを推し進める岡田監督自身が否定されることは、まず「ない」と考えるべきであろう。

くしくも、2月11日は「建国記念の日」であり、戦前においては「紀元節」であった(神武天皇が即位した日とされる)。そんな記念すべき日に、日本の進路が決まったのだから、何とも暗示的である。日本代表は、目指すサッカーの完成度を高めるべく、今後も粛々とミッションを果たしていくことだろう。ただし、そこにどれだけのドラマやカタルシスがあるのかは分からない。ついでに言えば、それが来年6月の時点で「世界を驚かせる」という確たる保証もない。ただ確実に言えるのは、この日、日本の進路が決まった、という事実のみである。


最終予選突破の道筋が見えてきたという点でサッカー識者の意見は一致している。これは間違いないところだろう。W杯に出られるということはほとんど問題視されていなかった。しかし、問題なのは本戦に出場してから以降のことなのだ。

日本は地元開催を除いて1勝もしていない。勝ち点もドイツでの1だけだ。まだ、3大会しか出場していないルーキーであり、このままW杯で1勝もしていない岡田で、上まで行けるのかという心配がある。

たとえば、岡田がトルシエのように積極的に世界の強豪と戦う監督ならまだ可能性を考えることができる。オシムは少なくともヨーロッパでの試合を組むことを主張していた。しかし、岡田はお仕着せの国内マッチを消化するだけ。ヨーロッパに出かけてということは一度もないし、国内の試合も格下ばかり。マッチメイクができないということもあるだろうが、こんなことで大丈夫かということになる。

本戦では岡田ではいかない。犬飼会長がそう決めればすむ問題をどうして決めないのか。あるいはヨーロッパや南米、アフリカの強豪とアウェイで試合ができない理由を明らかにできないのか。

そのことを強く心配する。

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