2008年11月18日火曜日

歴史好きへの一品

歴史の裏側を想像するのはいつでも楽しい。そんな想像力をかき立ててくれるのが高田崇史さんの一連のシリーズ。

QED 六歌仙の暗号 (講談社ノベルス)
QED 六歌仙の暗号 (講談社ノベルス)高田 崇史

講談社 1999-05
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おすすめ平均 star
star「六歌仙」と「七福神」
star昔、あんなに嫌いだった古文が・・・

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QEDシリーズは棚旗奈々をヒロインとして日本史の隠された謎を、彼女の大学の先輩である桑原崇が事件とともに解いていくという話。百人一首から始まったシリーズはシャーロック・ホームズを挟んで日本史に視点を移していく。中心は伊勢神宮へのアプローチでありながら、熊野諏訪鬼ノ城といった古代史の謎解きで伊勢に向かう一方、坂本龍馬暗殺の謎にも迫るという寄り道も行っている。

毒草師
毒草師高田 崇史

幻冬舎 2007-04
売り上げランキング : 191634

おすすめ平均 star
star特異なキャラ・御名形史紋の推理の鮮やかさ
starサイドストーリーではないけれど

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「QED 神器封殺」の登場人物である御名形史紋を名探偵役においたシリーズ。ミステリ要素が強いが、現代の古文教育がいかに的はずれなものかがわかる一冊でもある。貴族が流されたからといってもひとりもお付きがいないというのはおかしな話で、そういうことを指摘することすらタブーになっているからね。

ただ、このシリーズは違う角度から歴史を見ることができるとはいえ、主流にはなりえないのは残念。

カンナ 飛鳥の光臨 (講談社ノベルス タS- 24)
カンナ 飛鳥の光臨 (講談社ノベルス タS- 24)高田 崇史

講談社 2008-11-07
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このシリーズも「QED 諏訪の神霊」に出てくる鴨志田翔一の弟を中心に据えた物語。まだ読み始めたばかりでどういうかたちになるのかはわからないけれど、殺人事件があり、それに絡めた歴史の謎解きであることは間違いない。今回の冒頭は聖徳太子についてではあるのだけども。

歴史好きならこのサイトがいいかもしれない。

ポリネシア語で解く日本の地名・日本の古典・日本語の語源

このサイトでは現代日本語のオリジナルを古代マウリ語と考え、地名、歴史上の人物などをマウリ語から考えている。この考えで解ける歴史上の矛盾もあるのだけど、このサイトも歴史学者じゃないから主流にはなりえないのだよね。

残念なことだけど。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ご無沙汰しています。
早速カンナを買ってきました。
まだほんの少しですが奈々や祟から始まったのではないところが新鮮です。
どんな切り口で書かれているのか楽しみです。

歴史は考えることに面白さがありますよね。
もう既定の出来事のように教わってきましたが実は真の歴史はほとんどわかっていない。
そこを考える楽しさを高田さんは提起してくれます。
待っていた新作を手にとりまた高田さんの世界に出会える幸福に浸っています。

kiri220 さんのコメント...

>jasminteaさん

素早いですね。
高田さんの新作情報は講談社とファンサイトで仕入れているのですが、年に2冊ペースで出ることが楽しみになっています。

ぼくは年1冊のペースでしか書けないのに、わがままな話ではあるのですが(苦笑)

歴史は閉ざされているわけではないのですが、勝者の歴史しか残っていないこともあって、本当のことはわからないのですよね。

学校の教科書だけでは歴史のおもしろさはわからないのですが、高田さんの本もあり、お友だちには震砂から邪馬台国を探している人もいて、歴史というものに魅力を感じています。

新作情報はまたお知らせしますね。