日本代表はカタールとAl Sadd Stadiumで現地時間19:30(日本時間1:30)に激突する。毎回のように背水の陣と報道される岡田監督だが、やはり頼みは中村俊輔のようだ。
カタール戦前日 岡田監督会見
2010FIFAワールドカップ・アジア最終予選(スポーツナビ)
――中村俊輔は、全治2週間と言われるけがをしながら代表に合流しているが、そうした態度がチームに与えるいい影響についてどう考えるか?
俊輔に関しては、間違いなくこのチームのリーダーの1人だと思っています。そのリーダーとして、彼自身も自覚を持っていて、それで無理をしたとは思っていないですけど、彼の代表に対する思いというものは、以前から誰もが認めているところです。彼がそういう形で引っ張っていってくれていることについては、非常にありがたいと思っています。ただ、今ここに集まっているメンバーに関しては、俊輔だけでなく全員が、ただ呼ばれたから来て、試合に出ろと言われたから出るような選手ではありません。みんな自分のチームとして考えて、自分がW杯に出るため、そしてW杯でいい成績を残すため、というつもりでやってくれています。そういう意味で、俊輔もその1人として、リーダー格として、非常にありがたいことだと思っています。
――その中村は試合に出られそうか。また試合のポイントになりそうな点、気をつけたい点は何か?
俊輔はここに来てくれたからにはできると思っています。ただチームにどういう形でフィットできるか、また今のコンディションはどうか、どれくらいの時間できるのか。そういうことはこれから本人と話して、また練習を見て決めたいと思っています。
明日のポイントについては、カタールは非常に個人技が高い中で、プレッシャーをかけてくる。1対1の争いとか、またはプレッシャーに対していかにボールを回していけるかとか、そういうところがポイントではないかと思っています。
――日本の報道陣の話からすると、今までの成果に納得がいっていないように感じられる。また、今回のゲームを失えば監督として最後の試合になると言われているが、どう感じているか?(カタール人記者)
今、初めて聞きました(笑)。初めて聞いたので、これから考えましょう。
中村俊輔は怪我の状態があまりよくない。それでも使わなければ勝てないチームにしてしまったのは指揮官である岡田の責任。彼はどう考えても力不足であったにも関わらず、小野技術委員長の強引な手法で監督になってしまった。岡田以外には考えられないというわけのわからない理屈で。それだけの人脈しかない人間を技術委員長にしたという日本サッカー協会にも責任はあるのだが、実は後任人事も検討されている。
ドル氏に後任打診!岡ちゃん、W杯へ背水! (1/2ページ)(サンケイスポーツ)
元ドイツ代表MFで、有望な若手監督と評価の高いドル氏が、独紙ハンブルガー・アーベントブラットのインタビューに「最近、Sブカレスト(ルーマニア)と日本から(監督就任の)問い合わせがあった。しかし、外国に行きたくないから断った」と明言したというのだ。事実なら、水面下で“後任人事”が動いていることになる。
自らの価値を高め、アドバイザーなどの打診を受けるための言葉の可能性はある。ただ、インタビューした同紙のディーター・マッツ記者は「間違いなく代表監督の打診といっていた」と証言。ハンブルガーSV(ドイツ)監督時代にFW高原を重用するなど、日本にもゆかりあるドル氏だけに、負ければ岡田監督に「解任」「辞任」の声が出るのは必至の情勢の中で、きな臭い発言なのは確かだ。
Thomas Doll(Wikipedia)
Early in his tenure as coach with Hamburg, he enjoyed some success, saving the team from relegation in his first season, winning the Intertoto Cup, and then guiding the club to a much-improved third place result in 2005/06 to earn a Champions League berth. The 2006/07 season, however, was less successful for the coach. The team delivered a disappointing performance in the Champions League that saw only one win in six first-round games, and then plunged to the bottom of the Bundesliga table by mid-season. Doll was sacked by HSV on February 1st, 2007.
トーマス・ドルは高原直泰が在籍した当時のハンブルガーSVの監督。ハンブルガーSVを降格から救い、翌年にはチャンピオンズリーグ出場圏内まで押しあげるなど高い采配をしたが、翌シーズンには解任されている。
ドル氏は「断った」という話をしているが、犬飼会長は最終予選は岡田に任せると言いながら、後任候補も探しているという二重の策をとっていたことになる。トップとして最悪のことを考えることは当然のことで、後任を考えるというのは正しいとは思う。
ただ、その行動力をオシム後に発揮してほしかったというのが本音でもある。
そのときは川淵氏が会長だったのではあるが。
試合前日、カタール代表メツ監督会見
2010FIFAワールドカップ・アジア最終予選(スポーツナビ)
――岡田監督は「勝つためにドーハに来た」と言っている。また中村俊輔は「引き分けでも良いのではないか」と言ったそうだが、これらのコメントについてどう思うか?(カタール人記者)
岡田監督の発言は当然だと思う。日本代表の監督として、アジアを代表するチームの監督として、当然の発言だ。中村俊輔の発言については、大変好感を持っている。というのも、カタールの実力、アジアにおけるパフォーマンス(の高さ)を認識しての発言であると受け止めるからだ。
――カタールにとって、日本戦での勝利の鍵は何か?
勝つ可能性はある。ただし、勝利の鍵が何かと問われれば、それが1万5000個もあるとは言えない。いくつか日本に勝つためのポイントは理解している。実際に、明日戦ってみないことには何も言えない。
メツ監督の狙いは何だろう。日本代表についてのスカウティングはきっちり行われているはず。内田、長友を上がらせないようにすれば、日本の攻撃力は半減する。その意味では両サイドに広くウイングを張れば、日本を引き気味にすることはできるかもしれない。
あるいは中澤不在、闘莉王怪我という情報からそのギャップをついてくるのか。
中央突破ならそれほど怖くはないが、サイドからアタックを仕掛けられると日本は後手に回る可能性がある。
閉ざされた代表
日々是最終予選2008-09(スポーツナビ)
練習の公開は冒頭の15分のみ。アップして、ストレッチして、パス回しや2対1をやって、それでおしまい。練習後、岡田監督は記者を煙に巻くようなコメントを発するだけで、そそくさと車に乗り込んでしまう。選手たちも、かん口令が敷かれているため、戦術に関する部分は多くを語れない。ある意味、仕方がない部分もあるのだが、練習も見られない、コメントも限られているとあっては、記者も記事の書きようがない。
そこで頼みの綱となるのが、決まって最後にミックスゾーンに現れる中村俊輔である。現在の中村俊は、ピッチ上の指揮官のみならず、ピッチ外でもスポークスマンとしての重責を担っている。彼の丁寧なメディア対応があるからこそ、取材現場は成り立っているといっても過言ではない。
もちろん、その点については感謝しているのだが、だからといって現状のままでよいわけがない。以前にも書いたことだが、昨今の代表人気の低下傾向には、こうした「記事になりにくい」現状も多分に影響しているように思えてならない。最終予選に勝利するために、クローズしなければならない情報も当然あるだろう。もちろん、そこは尊重する。その上で、今の代表チームの可能性なり、問題点なりを論じるための「場」を、試合以外にも提供していただきたいのである。決して安くないコストを投じてドーハまでやって来たのに、現地で得られる情報が15分のみの練習公開と、断片的なコメントのみ。これでは、現場に不満がうっ積するのも当然であろう。
代表人気の低下はマスコミ排除からだろうか。
その点には疑問がある。マスコミはスター主義に走りすぎて、特定の選手だけに思い入れをもつファンばかり作ったことにも責任はないだろうか。
日本のファンは選手には詳しくても戦術を語ることができないことが多い。
今は戦術本もたくさん出ているが、解説者ですらサイドアタックを両サイドのフルバックの上がりと勘違いしていることがある。解説者以上の知識を得るのは普通のファンでは難しい。世界のサッカーを見ていても、解説や実況のレベルでしか理解できないのだから。
その意味ではマスコミも向上する必要がある。戦術論を戦わせ、そして結果やハイライトだけではなく、議論をもっとするべきなのだ。
なぜ岡田では駄目といわれるのか、それをはっきり語れる解説者はいない。そのことが日本代表の大いなる危機なのかもしれないね。
0 件のコメント:
コメントを投稿