2008年11月24日月曜日

犬飼会長またも暴言!! 全否定は批判を浴びて当たり前のこと

日本サッカー協会の犬飼会長による「素人」発言が波紋を投げかけている。本当のところ、どちらも素人だと思うのだが、マスコミは例によって大本営発表で無責任な垂れ流し。マスコミも意見を言って初めて議論が発生すると思うのだが。

犬飼会長、猛口撃 秋春制に反対クラブ社長は「素人」(スポーツ報知)

犬飼会長の舌鋒(ぽう)は、いつもに増して鋭かった。この日、埼玉県議12人に講演を行うため、さいたま市内のレッズランドを訪れた協会トップは、持論の「Jリーグ秋―春制シーズン移行」を強く主張した。

「(日本代表)岡田監督、(日本代表前監督)オシムさんとも話したが、サッカー関係者は、みんながシーズン移行をした方がいいと考えている。寒いから観客が来ないと考えるのはサッカーの素人。その素人が社長をしているクラブもあるから困る。暑い中より寒い中でプレーした方がサッカーの質は上がるから、工夫をすれば観客を呼び込むことはできる」

10年シーズンからの移行を目標としている犬飼会長に対し、Jリーグ・鬼武健二チェアマン(69)は否定的。しかし、犬飼会長は「10年が無理というなら11年、11年が無理というなら12年を目標にすべき」と不退転の決意を明かした。


シーズンはヨーロッパに合わせたほうがいい。その意図はわかる。国際大会はヨーロッパのシーズン終了後に行われるし、インターナショナルAマッチデイにもあわせやすい。移籍もスムースになり、チーム作りも移籍から始められる。

しかし、積雪の問題で秋春シーズンが難しいと考えるクラブがあることも事実。積雪があれば融雪施設がないスタジアムではサッカーは出来ないし、練習も難しい。選手が怪我をする怖れもあるし、それに観客の足に影響する。そのことを主張すると「素人」と切って捨てるのは某巨大掲示板で匿名発言をする人間たちと変わらない。犬飼発言は実名だが、日本サッカー協会に抗議をしても取り次いではもらえないのだから。

彼と会って話をしようとしてもネガティブな取材は断られる。それでは独裁者と変わらないのではないか。

秋春シーズンにするということにしてもビジョンははっきりしない。わかっているのはシーズンを変更するということ、積雪地帯は人工芝の導入も認めるということくらいだ。

ヨーロッパに合わせるというのなら、移籍マーケットも夏、冬の2回に限定すること。ボスマンルールの完全導入。カップ戦の整備。ウインターブレイクなどの議論。などなど話し合うことはたくさんあるだろう。そのことは一言も出ていない。その意見が出てこず、相手ばかりを素人呼ばわりするというのは、とんだ知ったかぶりというものだ。

ご自分が一番サッカーに詳しいと思っているのだろうか。

一方のJリーグは、あくまで慎重だ。J1の10クラブ、J2の5クラブの代表者が集結する「プロジェクトチーム」の初会合が12月2日に行われる。札幌、新潟、山形、仙台と、特に寒さと降雪の問題を抱える4クラブも出席する。減少することが予想される観客動員、練習場などについて議論する。

鬼武チェアマンは、J2山形の本拠地で、20日に約20センチの積雪があった写真7枚が送られてきたことを明かした。「現状をお教えします、ということだった」と説明。冬季の試合開催に支障があることをあらためて訴えた。両トップは28日に会談を行う予定。日本サッカー界の将来を左右する“直接対決”の結果が注目される。


Jリーグの鬼武チェアマンは犬飼発言に対して慎重な態度をとっている。ナビスコカップのU-23大会への以降について、若手中心の大会だからと反論している。

ナビスコ杯を五輪方式に?=会長とチェアマン、海を越え舌戦-サッカー(時事通信)

犬飼会長は離日前の17日、Jリーグナビスコカップを男子五輪と同様に原則23歳以下の選手で行うとする私案を明らかにした。これを受けた鬼武チェアマンは18日、「五輪方式にする気は毛頭ない」と反論。自らの改革案を否定された犬飼会長は同日、「いろいろと改善して、日本のサッカーを世界と戦えるようにしようとしている」と持論を曲げなかった。

同会長は、北京五輪で3戦全敗に終わった男子の反町康治監督が「若手の実戦経験の少なさ」を敗因の一つに挙げたことを理由に、年齢制限の必要性を訴えている。しかし鬼武チェアマンは「ナビスコ杯はもともと、若い選手にチャンスのある大会。(日本協会から)とやかく言われる必要はない」と強い口調だ。


もともと、若い選手にチャンスのある大会なら若手を起用したチームに最強メンバー規定に違反したといってペナルティを課す必要がないと思うのだが、それは別の問題なのだろうか。

犬飼会長も鬼武チェアマンも最強メンバーという文言にはかなりこだわるのに、この場面で最強メンバーのことは抜け落ちているように見える。まるで反対のために反対して墓穴を掘っているというようなものだ。

その鬼武チェアマンはシーズン秋春制に向けて違う意見を持っているようだが、現実には検討プロジェクトチームが発足し、報告を上げるかたちになっている。結論が出る前にあれこれ言うのはふたりとも議論というものがわかっていないということになる。

「サッカーの素人」札幌・矢萩社長が犬飼会長を批判(スポーツ報知)

「寒いから観客が来ないと考えるのはサッカーの素人。素人が社長をしているクラブもあるから困る」21日の協会トップの発言を受け、札幌・矢萩竹美社長(58)は「わたしは素人です。素人を怒らせると怖いですよ。(素人である)サポーターの怒りも買うことになる」と皮肉交じりに反論した。

さらに「検討プロジェクトチームが発足したのだから犬飼さんや鬼武(チェアマン)さんは話し合いを見守る立場。自分の意見を押し通すのはどうかと思う」と努めて冷静に続けた。

リーグ最北クラブである札幌は、当初から練習場確保や芝の問題から移行は難しいとの立場をとっている。12月2日に初会合が開かれるJ15クラブの実行委員によるプロジェクトチームでも春秋制続行を訴える予定だ。


札幌の矢萩社長の言うことももっとも。トップダウンだけではそのトップが間違ったときに、どうするのかという問題が起こる。修正ができないのなら、独裁国家と変わらない。皇帝批判ができない帝国と同じことだ。

今でも日本サッカー協会の風通しはそれほどよいとは言えないのだが、もっとサポーターと話し合う余地があってもいいのではないか。

大本営発表か理事しか会えないというのではれば、イエスマンだけで固めているということになる。

指導者ライセンスを持てば会議に出席できるのかもしれないが、反対意見をいうとライセンスを停止するというのなら本末転倒ではあるし。

その点、素人は失うものはなにもない。正論を言ってスタジアム出入り禁止に出来るわけもない。川淵会長解任デモを起こしたファンには何のおとがめもなかったはず。

日本のサッカーは過渡期にあることは間違いない。百家争鳴を期待したいが、そういう状況になるかどうか。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ご無沙汰のコメントです。m(__)m

多分両方にメリット、デメリットはあるのでしょうけど。

私も素人ですから、
やっぱり秋春制への移行は反対ですね。
今の時期だって東北での外の試合は難しいのに。

でも降雪の問題もさることながら、
体制そのものもかなり変えないといけなくなるんですよね。
この辺は釜本氏もおっしゃってましたけど。

でも議論すらできないという状況はいかがなものか・・・。

匿名 さんのコメント...

うへー。今、初めて知りました、シロウト発言。
そして、札幌の社長を読んでいると、
もう、感情論になりかけていて、
絶対に2010年は無理だなー、と思いました(苦笑)

しかし、本来は念入りに下準備をして
理念を共有しながら進めていくべき大テーマなのに、
こんな流れしか出てこないとは。。。

やはり、イエスマンしかいないと
組織はダメになってしまうんでしょうね。

誰が止められるのかなー。
川淵を出すわけには行かないので、
そうなると、Jリーグサイドか、
または、古巣の浦和関係者ですかねー。

kiri220 さんのコメント...

>char1029さん

秋春制のメリットのほうが大きく、積雪による影響が解決できればいいのでしょうけどね。

そのための話し合いがされず、反対すると素人扱いではたまらないですよね。

これでは初めに結論ありきということで。

川淵体制から変化があるかと思っていたのですけど、あんまり変わらないようですね。

kiri220 さんのコメント...

>yoshiさん

2010年は無理ですよね。
感情論になったら話し合いもできないですし。

準備段階もあるし、識者の意見も聞き、現場の意見も聞き、根回しをして、いろいろ解決しなければならない問題もあるのに、いきなり素人扱いではたまらないですね。

釜本さんでも止められないようなので、もう止められるとしたら今上天皇くらいじゃないですかね。
政治不介入の原則があるから駄目なのかなあ。
高円宮殿下がご健在なら違った流れになったかもしれませんが。

古巣の浦和でも止められる人がいるのでしょうか。
あそこも迷走していますしね。