2008年10月28日火曜日

ボスマンルールの適用だけが重要事項ではないはず

Jリーグ選手協会(J.League Pro-Footballers Association)は移籍係数が0となり移籍金が発生しなくなる30歳以上のプレーヤー以外にも契約が切れる6カ月前から他のクラブと自由に交渉ができるというヨーロッパの移籍ルールを持ちこもうとしている。

J選手協会 移籍金撤廃へ再度働きかけ(スポーツニッポン)

FIFAは05年に移籍に関するルールを改正したが、日本では「選手は契約が切れる6カ月前から自由に他クラブと契約を結ぶことができる」という条項を和訳した際、“自由に”の部分が欠落。関係者は「その部分が加われば(移籍係数が発生する)30歳未満でも契約が切れる選手は移籍金なしで移籍できる」と話したが、Jリーグからは各クラブ、リーグで影響を調査中との理由で具体的な回答は得られなかったという。


現在のヨーロッパのルールは長期の契約を結び、その契約期間の間の移籍に関しては違約金を払ってもらうという方式で、Jリーグ移籍係数とは異なり、自由に違約金を設定できる。重要な選手にはビッグクラブでも手が出せないような移籍金を設定することもできるが、適正価格というものは存在する。

しかし、日本の場合は新人選手でも20歳なら平均基本報酬×10で平均基本報酬が1000万円なら移籍金1億円、中心選手でも30歳を越えれば平均基本報酬×0で平均基本報酬が1億円でも移籍金0円という計算になる。

選手協会の要求通り契約切れの6カ月前から移籍金0で移籍できるとするならば、単数年契約が結びづらくなり、クラブはより移籍金で儲けるということができなくなってしまう。

サッカー選手にとっては自由に移籍ができるルールだが、クラブにとってはたまったものではない。

若い選手は複数年契約で移籍係数により守られる。入団したときに2年あるいは3年契約で翌年に強奪されることは防げる。しかし、こうなるとよほどの有望株以外は入団が難しいことになる。あるいはスカウトが選手のポテンシャルをきちんと見抜くことができるように鍛え直すか。

スカウトの目が向上することは大切だが、サッカー選手は水物で1年でやめていく選手も多い。そのときに契約が残っていては自由に移籍はできなくなる。そういう問題をどうクリアするか。

もうひとつは30歳を越えると契約が残っていても問答無用で移籍金なしで移籍できることだ。日本代表の中心選手の中澤(横浜FM)も30歳なので、移籍金0でどこにでも行くことができる。

せっかく育ててさらに中心選手でというときに何の見返りもなく出て行かれてはたまらない。

30歳以上になると複数年契約で移籍を阻止することもできないのだ。

ヨーロッパスタイルとなるボスマンルールを適用するなら、完全なヨーロッパスタイルにしなければならない。日本だけのローカルルールでは不公平が生じる。

移籍係数を排除し、契約が残っている間はタンパリングの禁止、移籍の場合はクラブが定めた移籍金(評価が適正でなくてもかまわない)を設定できるようにするべきだ。

選手の権利を主張するなら、クラブの権利もあるべきだと思うがどうだろうか。

0 件のコメント: