2008年10月8日水曜日

プレミアリーグは多額の負債で金融危機に!!

プレミアリーグは華やかさの裏で多額の借金に苦しんでいることが判明した。30億ポンド(約5315億円)もの負債をクラブ全体で抱えている。という。

Lord Triesman’s £3bn debt warning to English football(Telegraph)

City estimates showed that clubs were now in debt to the tune of a staggering £3 billion – a major risk given the financial crisis sweeping the world’s banks;

A lack of transparency means it is impossible for the game’s authorities to properly scrutinise new owners and their financing of takeovers;

The League’s fit and proper persons test, set up to ensure directors with criminal convictions were barred from running clubs, was “ineffective”.


F.A.会長のトリーズマンが指摘しているのは、次の3点。

プレミアリーグのクラブが現在30億ポンドの負債を抱えていることが判明。世界中の銀行に広まっている財政危機があるために危険なことである。

財政問題の不透明度は新しいオーナーの財政状態をきちんと調べることが不可能なことにある。

あまりよくない人物がクラブを経営することを妨げるというテストは効果がなかった。

しかし、これだけの負債を抱えてクラブは運営できるものだろうか。ローマのセンシ家やインテルのモラッティ家のように私財を擲って赤字を負担するということをしているのか。チェルシーのアブラモビッチ氏ならすべての負債を払いきることも可能だと思われるが、彼もロシアバブルかもしれず、資産が保証されているわけではないのかも。

Premier League threatened with salary cap as FA vows to get tough(Guardian)

The Football Association chairman, David Triesman, yesterday threatened to enforce a salary cap on England's leading clubs as part of a wide-ranging and often damning address on the game's finances.

Setting out the FA's plans to become a stricter regulator for football and placing himself on a collision course with the Premier League, Lord Triesman attacked an industry that he said had run up £3bn of debt, speaking of the "very tangible dangers" for the game at a time of much uncertainty in global finance.


F.A.会長のトリーズマンはプレミアリーグの負債に対して、サラリーキャップ制の導入を提案。負債による危機に対応しようとしている。

In response the Premier League's chief executive, Richard Scudamore, compared Triesman's aversion to debt with that of the Uefa president, Michel Platini, who Scudamore claimed "thinks all debt is bad". Scudamore instead believes that borrowings are sustainable if they are in keeping with revenues. Despite the biggest anomaly of Manchester United, whose debts are £666m, he pointed out that the ratio of debt to earnings at Premier League clubs is broadly 1.1:1.


このことに対してプレミアリーグのチーフ・エグゼクティブのスクダモアはすべて負債が悪いとしながらも、収益に見合っているならまだ借り入れは可能だとコメントしている。それにしてもマンチェスター・ユナイテッドの負債が6億6600万ポンド(約1180億円)もあるとは思わなかった。これはリーズが破産したときと同程度ではないのか。テレビマネーがあるとはいえ、これはちょっと大きすぎる。

負債総額5300億円=金融危機の影響懸念-イングランド・サッカー(時事通信)

イングランド・サッカー協会(FA)のトリーズマン会長は7日、イングランド・サッカー全体で30億ポンド(約5300億円)の負債を抱えているとの推定を示し、世界的金融危機がクラブ運営に影響を及ぼす懸念を表明した。

金額は信頼できる筋の情報だとし、3分の1をプレミアリーグの4強と呼ばれるマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナル、リバプールが占めると指摘。「(米証券大手)リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)するとは1カ月前には心配もしていなかった。今、われわれは一触即発の状態にある」と話した。


プレミア4強のユナイテッド、チェルシー、アーセナルリバプールで10億ポンド(約1772億円)の負債という。Guardianの記事ではユナイテッドが6億6600万ポンド(約1180億円)の負債を抱えていることが判明しているから、他の3クラブはそれほどではないとも言える。それでも、純粋に平均約1億ポンド(約177億円)の負債があるわけで大きいのは間違いないけれども。この額はユベントスが新しいスタジアムに費やす金額と同程度。アーセナルとリバプールは新スタジアムの資金としても、チェルシーは何に使っているのだろう。選手の給料なのだろうか。

世界的な金融危機で負債を抱えていることは、即座にクラブ破産への道を辿ることになる。銀行が潰れても債権者は存在しており、借金は棒引きにはならないからだ。プレミアは外資が入って、バブルに沸いていたけれども、打ち出の小槌ではなかったということだろうね。堅実経営をしなければいつかは倒れる。プレミアはその一歩手前なのかもしれない。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お金がすべてじゃないですよねー、と書いたばかりですが、
プレミアリーグのお金もかなり「流動的」みたいですねー。。。
リスク要因はどのリーグよりも多そうだし、
選手の年俸抑制だけで収まればいいんですが、
どうも次元の違う話という気もします。

匿名 さんのコメント...

経済状況はフットボールにも影響してくるんですかねぇ。

それにしても、マンUの負債ははんぱないっすね^^;

kiri220 さんのコメント...

>yoshiさん

たしかにお金がすべてではないというエントリーをしていらっしゃいましたね。

テレグラフの見出しを読んでいたら、この記事が見つかって、びっくりでした。そのあとはガーディアンで漁って、サンを読んだのですが、ひどい状態でした。

サラリーキャップも効果はないかもしれませんね。
他のリーグよりお金はあるのでしょうけど、それが負債に支えられているとなると砂上の楼閣ですし。

どうなるのでしょうね。。。

kiri220 さんのコメント...

>soccerkyoさん

ユナイテッドの負債がこれだけあるとは思ってもみませんでした。
赤字が出ているとは思えなかったわけで。

それにしても世界規模の金融危機は恐ろしいですね。