2009年4月7日火曜日

ブッフォンの移籍騒動は夏のメルカートの最大の話題か

ユベントスのコボリ・ジッリ会長がブッフォンも移籍対象であると発言したことについて、バルセロナが巨額のオファーを考えていることが明らかになった。バルデスのゴールキーピングに若干の不安があることを考えればブッフォンはベストの選択だが、怪我がちの彼を巨額のオファーで手に入れる価値があるかどうかは別問題だろう。トレゼゲについてもオファーを考えているらしいが、手術あけでようやく復帰したばかりの彼なら安く買えると踏んでのことなのだろうか。

バルセロナ、ユベントスのブッフォンとトレゼゲ獲得に68億円のオファーを検討か(スポーツナビ)

このイタリア代表GKの移籍話は、ユベントスのコボッリ・ジッリ会長が、「ブッフォンは移籍対象であり、オファーには耳を傾ける」と述べたことに端を発しており、ブッフォン自身も「外国でプレーしてみたい気はある」と、同会長の発言に反応している。

一方、ブッフォンの代理人を務めるシルバーノ・マルティーナ氏も、ラディオ・キス・キス局とのインタビューで、移籍の可能性があることを認めている。

「ブッフォンはトリノでの生活に満足しており、ユベントスとの契約も2013年まで残っている。とはいえ、届いたオファーについてはしっかりと評価を下し、もし興味深い内容であれば、ユベントスに話を持っていく」


ブッフォンとジッリ会長との仲が悪いとは聞いていない。そういう噂があればすぐに耳に入るはずだ。実際、チェルシーからオファーがあったときにはすぐに打ち消している。

ユーヴェ会長、トレゼゲ&ブッフォン移籍を否定(Goal.com)

「チェルシーがトレゼゲにオファー?私は知らないな。ブッフォン?我々は彼の信じられないような素晴らしいセーブを称賛している。彼のセーブがシーズン終了まで、そしてそれ以降も決め手となることを願っているし、そう信じている。彼はユヴェントスと契約を結んでおり、ユーヴェに多くをもたらしている。そして今後も、まだもたらしてくれるさ」

ブッフォンが国外での経験を積んでみたいと望んでいることについては、「彼がそういう運命論者のような話をするのは正しいよ。彼の話し方はインテリジェントなんだ。だが、彼は長く我々と一緒に残る」とコメントしている。


クラブの会長として、ひとりの選手をアンタッチャブルとは言えないということだったのではないか。全員移籍はないということはできないし、出場機会の問題もある。11人しか出られない試合で全員をスタメンに使うわけにはいかないのだ。

それについてブッフォンがジョークで返したということか。

あるいは本気だったのかもしれないが、ユーベに対する愛情を示すことを第一に考えたブッフォンはまずユーベ残留を考えるだろう。実際にマンチェスター・シティからのオファーにはユーベの財政が危機に陥り、それを助けるということならユーベを出ていくとコメントしているのだ。

そして、ブッフォンを手放すならユーベはその代役を捜さなければならない。プリマヴェーラにいいGKはいるのだが、まだまだブッフォンのレベルではない。そのことを考え、この噂は成熟路線を高め、そして結束を強めることが目的ではないか。

Buffon-Trezeguet, pronta offerta da Barcellona(Corriere dello Sport)

NON SOLO BUFFON - Silvano Martina, procu­ratore di Buffon, ha parlato del futuro del portiere della Nazionale a Radio Kiss Kiss: «Gianluigi è attualmente il più forte portiere in circolazione. Gigi sta bene alla Juve ed è legato da un contratto fino al 2013, se qual­cosa arriva però lo valuteremo insieme alla società, insomma non c'è nessun prurito di Buffon di andare via, però se leggiamo che Messi potrebbe lasciare il Barcellona per 100 milioni di euro, allora vuol dire che non esi­ste calciatore al mondo che dinanzi a una follia non sia sul mercato. Se dovesse arriva­re un'offerta incredibile ne parleremo con la Juventus. Ora non c'è nulla che possa lasciar presagire una sua partenza» . L’offerta irri­nunciabile potrebbe es­sere quella del Barcel­lona. E attenzione per­ché potrebbe arricchir­si di una seconda carta da calare al tavolo del­la trattativa: David Tre­zeguet. Il manager del francese, Antonio Ca­liendo, ha parlato an­che lui a Radio Kiss Kiss. «Ci sono grossi in­teressamenti dall'Inghilterra e dalla Spagna per David. Penso che il Barcellona ha sem­pre l’intenzione di prenderlo e tornerà alla carica. Va avanti ormai da quattro o cinque anni ed ogni volta vivo sempre la stessa si­tuazione di mercato. Poi nel finale di ogni trattativa arriva sempre la Juventus che fa sentire la voce della proprietà e convince il giocatore a rimanere».


Corriere dello Sportの記事でブッフォンの代理人はRadio Kiss Kissのインタビューでトリノを去るという欲はないし、ユベントスとの契約も2013年まで残っている。しかし、十分に魅力的な信じられない額のオファーがあればユベントスと話をするとコメントしている。

トレゼゲについてはアンリとのプライベートでの仲の良さに反比例するようにフランス代表での相性はあまりよくないのだが、それでも獲得しようとしているのはエトーの放出が既定路線なのかと思ってしまう。

コラム:ユヴェントスはブッフォンを売るべきか?(Goal.com)

ブッフォンを売却した場合の5つのメリット

1)巨額の移籍金

もしユヴェントスが、マンチェスター・シティから8000万~1億ユーロのメガオファーを受け取った場合、その金額の使い道について考える価値はあるだろう。2001年、当時のGM(ゼネラル・マネージャー)であるルチアーノ・モッジは、ジネディーヌ・ジダンをレアル・マドリーに7600万ユーロで売却しているが、その移籍金を元に3人の(後に主力となる)選手――リリアン・テュラム、パヴェル・ネドヴェド、そしてジャンルイジ・ブッフォン――を獲得している。今回もし上記の移籍金でブッフォンを売却した場合、(ジダンの時と同様)ユーヴェは少なくとも3人のワールドクラスの選手を補強できるはずだ。

2)ブッフォン自身の調子

ブッフォンが、サッカー史上最も優れたゴールキーパーとなる可能性を秘めた選手であるとはいえ、ドイツ・ワールドカップ(2006年)以降のパフォーマンスにかつての輝きが見られないのも確かだ。特に今シーズン(ケガから復帰して以降)は、低調なパフォーマンスしか披露できずに苦しんでいる。

3)フィジカルコンディション

過去2年間、彼はケガによりたびたびピッチを離れることを余儀なくされており、なかでも背中の問題は慢性化している。まだ31歳とはいえ、もし今後もこの“故障がち”な状態が続くようであれば、クラブはできるだけ高く売ることを考える必要があるかもしれない。

4)アレックス・マニンガーの存在

このオーストリア代表GKは、ブッフォンの故障中にその価値――1-1で引き分けたラツィオ戦のミスを除いて――を十分に証明している。もしブッフォンがチームを去ったとしても、ゴールマウスに彼がいる限り大きな心配はないだろう。

5)タイミング

クラブは今後2~3年の間に、トリノで8年間を過ごしてきた彼の売却を検討する必要が出てくるかもしれない。復帰後のパフォーマンスが伸び悩み、さらに市場価値が引き続き高いことを考えれば、“売り払う”には絶好のタイミングと言えるのではないか?

ブッフォンを売却した場合の5つのデメリット

1)ブッフォンはやはりブッフォン

確かに今シーズンのパフォーマンスには問題を抱えているかもしれないが、彼はすぐに本来のフォームを取り戻すことだろう――先日のモンテネグロとのワールドカップ予選においても、片手による神がかり的なセーブを見せるなど、すでに復調の兆しは見えている。ベストの状態にさえあれば、彼は今でも世界No.1のキーパーであることに疑いはないはずだ。

2)クラブでの立場

アレッサンドロ・デル・ピエーロと並んで彼はクラブのシンボルであり、彼を売却することはすなわちチームリーダーを失うことを意味する。チームとしての成功を考えるのであれば、彼のような“クラブの象徴”を失うことの意味を決して見くびるべきではない。

3)クラブへの忠誠

ユヴェントスは、ブッフォンに対するオファーを断る“義務”がある――クラブがセリエBに降格した際、彼は(他クラブでの)タイトル獲得よりもチームを助ける道を選んだ。その後最短でセリエAに復帰を果たしたことで、クラブは財政面で大きな利益を得ており、ブッフォンの残留がクラブに果たした貢献は計り知れない。

4)ブッフォンの代役は?

昨年9月から12月にかけてのマニンガーのパフォーマンスは確かにすばらしいものだったが、彼は、ブッフォンがケガから復帰すればポジションを失うことを知っていた――つまり彼は、クラブの絶対的守護神としてのプレッシャー下でプレーしていたわけではない。マニンガーのこれまでのキャリアを見てみると、コンスタントにプレーした場合にはたびたび問題を抱えており、彼にチームのNo.1を任せることはクラブにとってリスクを伴うことも事実だ。

5)移籍金の使用用途

ここまでのアレッシオ・セッコSD(スポーツ・ディレクター)の移籍市場における仕事ぶりは、悲惨という他ない。補強が必要なポジションを補わず、すでに選手が揃ったポジションに補強を繰り返す彼の迷走ぶりも去ることながら、その選手選びにも大きな疑問が残る。はたして彼は、ブッフォン売却で手にした移籍金を有効に使うことができるのだろうか?


ユベントスは引退を表明したネドベドも、下り坂に入っているデル・ピエロも売らないということで一致していた。怪我をしたからといって選手を放出はしなかった。ブッフォンはユーベに忠誠を誓った選手で中心選手。彼が残りたいと考えているなら、状態がどうあれユベントスは断る義務があるのは確かだ。彼が怪我のために50%のパフォーマンスを発揮できないとしても彼の庇護下に置かれた控えGKは高いパフォーマンスを発揮するだろう。引退を決めるまでに代役を育てればよい。という考え方は成り立つ。ワールドクラスのGKはたくさんいるわけではない。ブッフォンを外して誰を獲得するかをセッコに任せるには不安がある。

それでもふたりが移籍するというのなら、喜んで拍手を送ろう。ペナルティを永遠に延期しているバルセロナというのが気に入らないが、ふたりの選択なら仕方がない。

ユーベはかならず復活するのだから。

2 件のコメント:

jasmintea さんのコメント...

こんにちは。
最近はすっかりサッカーの話題を知らずブッフォンの移籍話なんて初めて知りました。
ブッフォンは引退するまでユーベだと思っていたのでちょっと話題が馴染まないと言うか……
最終的にはキリさんが書かれた最後の4行と同じ気持ちです。

ユーベも過渡期なんですね。

kiri220 さんのコメント...

>jasminteaさん

ファン・デル・サールもジダンもユーベから去っていきましたし、移籍は仕方がないと思っています。

ブッフォンもパルマからの移籍だし、純粋なバンディエラではないですからね。

でもB降格のときに残ってくれたことを考えるとずっとユーベかなと思っていたのも事実です。

ジッリが余計なことを言ったからでしょうね。

ユーベは選手が高齢化して、パベルも引退だし、アレも調子が悪いしで、過渡期なのは間違いないでしょうね。