2009年8月25日火曜日

犬飼会長の内政干渉に浦和はどう思うのか

J League Division 1 Matchday 23 Hiroshima 2-1 Urawa @ Hiroshima Big Arch
Hiroshima:Makino 26,Kashiwagi 42
Urawa:Tulio Tanaka 68



vsサンフレッチェ広島 試合後 フィンケ監督(Urawa Official Website)

フォルカー・フィンケ監督 Jリーグ第23節・サンフレッチェ広島戦後のコメント
「後半に入ってからはいくつかのいいシーンもあったと思いますし、実際に私たちも優れたプレーをしていたと思います。しかし、前半の2失点は本当ならば起きてはいけないことだったと思っていますし、このレベルでしたら、あのようなミスからの失点はしてはいけなかったと思います。ですので、非常に残念な形での失点があったことによって、私たちが再び相手のチームに先取点を奪われてしまって、それによって、また何とかして追いつこうと、追いつこうと努力して走ったわけですが、残念ながら、こちらにとって試合を決定づけることができるような得点を、最後の最後まで奪うことはできませんでした。
現時点のように、数週間にわたって敗戦が続いている状況になりますと、ピッチに立った選手たちにしてみれば、そう簡単にすべての物事がいくわけでもありませんし、ある意味、とても重い頭を持ちながらプレーしているのではないでしょうか。実際に前半でいくつかの得点チャンスがありましたし、本当ならば原口元気と、それからセルヒオがいくつかの決定的なチャンスを作り出していましたので、それらをゴールに結びつけることができたはずですが、なかなかボールがゴールに入りませんでした。
そして、後半からは闘莉王と高原を投入したわけですが、彼らも、後半に入ってからのプレーではいくつかの、とてもポジティブなシーンを作り出していたと思っています」

(高原をあんなところで使って、生きるのか?もっと前で使った方がいいのでは?)
「その状況のように原口元気とエスクデロという、サイドから相手にとても圧力をかけることができる選手がいた場合、そして、真ん中にはエジミウソンのようなタイプの選手がいた場合、高原を投入することによって、このエジミウソンを助けるということが一つの目的でした。エジミウソンを中心にして、その辺り、その周辺を走る、そして何度もアップダウンを繰り返す、それによって味方のサポートをしていく、これが私たちの狙いでした」

(闘莉王が出たが、後半の最後の方で前線に上げるという選択肢はなかったのか?他のところから『前へ行け』と言っているようなジェスチャーもあったのだが、そこら辺はある程度伝わってたのか?)
「あのような状態ですと、もちろん前線にハイボールを送ることは、とても効果的だと思いますが、そこで大切なのは、こぼれ球、セカンドボールなどを拾うことができることだと思います。ですので、私たちの選手は、闘莉王も含めて、そのセカンドボールを奪うために積極的に動いていたわけですが、残念ながら試合のテンポ、ゲームのテンポが、その時点で少し遅くなりはじめていました。
正直私は、最後の6、7分で、ある意味怒りを感じていたのが、後ろからボールを前線に運ぶときに、どうしても時間がかかり過ぎてしまったことでした。本当ならばもっと素早く前線にボールを送らなければいけないわけですが。特にあのような状況で、闘莉王とエジミウソンという、非常にヘディングに強い選手が前線にいたわけですから、本当でしたら、これをもっともっと積極的に利用するべきだったと思っています。しかし忘れてはならないのはこの時間帯です。私たちの選手も非常に疲れていましたし、ある意味この疲労がたまっていたことによって、いくつかのミスも起きてしまったわけですから。
しかし私が後半で最も怒りを感じたシーンというのを簡単にご説明いたします。ここは本当に正直に皆さんにお話ししたいのですが、私たちの選手でセルヒオという、まだまだ非常に若い、これから経験を積んでいくだろうという選手がいます。彼が相手のペナルティーエリアに侵入したときに、実際にファウルされたわけですけれど、ファウルをされながらも倒れなかった。それで何とかして立ってボールを奪おうと、ボールを持ってドリブルしようと戦ってプレーを続行したわけですが、本当ならばこれは倒れるべきだったと思っていますし、何とかして彼が倒れないでプレーを続けたことによって、私から彼には個人的には『フェアプレー賞』、『フェアプレーのメダル』を与えようかなと考えていますが…。しかし実際に、彼がしっかりとファウルされていたのは事実でしたので、本当ならばこれを私たちのために生かすべきだったと思っています。そうすれば、今日の試合で私たちは引き分けることも十分できていたわけですから」

(ナビスコカップで敗退したときに、この『穴』から必ず抜けだす確信があると語っていたが、今もその確信というのは変わっていないか?)
「もちろんです。私はこのチームが再び勝利を収めるということを確信しています。忘れてはならないのは、もちろん連戦が続いたということはありますが、やはり台所事情などもありまして、なかなかスタメンを大きく入れ代えることができなかったこと、そして意図的に、回復時間を選手たちに与えることができなかったということもありました。
これだけ長い間、敗戦が続いてしまいますと、どうしても、すべてのプレーが重くなってきてしまうわけですし、すべてがうまくいくというわけでは一切ありません。ただし、彼らの戦う姿勢、それからゲームに対しての姿勢というのはまったく問題がありませんし、今後私たちがこのプレーを続けていけば、必ずしや近い将来、再び勝利を収めることができるものだと確信しています」


フィンケ監督の談話は浦和のオフィシャルに掲載されたものなので、質問者が誰なのかはわからない。ただ、オフィシャルにある以上、浦和の公式見解というわけだ。

セルヒオがエリア内でファールを受けながら倒れなかったことを批判していることも含め、フィンケ監督が広島戦で執った采配を全面肯定しているわけだ。それ自体は悪いことだと思わないし、浦和の問題だ。

浦和サポーター、埼玉の地元のテレビ局、新聞社にはこのことを違うと非難することはできるが、他のクラブのファンがどうこういうことでもない。

あるいはマスコミがこういうことをいう監督はどうだろう、世界と比較しているのだろうかという記事を載せるならそれはファンに対する啓蒙になるだろうが、選手批判をしたという記事はあったもののそれ以上に突っ込んだ話にはならなかった。

犬飼会長、フィンケ監督の“暴言”に激怒(デイリースポーツ)

日本サッカー協会の犬飼基昭会長(67)が24日、J1浦和のフォルカー・フィンケ監督の“暴言”を猛批判した。22日の広島戦後の会見で、浦和のFWエスクデロのプレーに対する「ファウルされたら倒れるべき」との発言に、犬飼会長は「とんでもない監督だ!」とバッサリ切り捨てた。

日本協会は、タフでスピーディーな試合を目標に掲げる。多少の反則ならプレー続行を推奨するだけに「倒れずに頑張れば、シュートも打てる。バタバタ倒れていたら、代表に呼ばれない」と強調。世界的なシミュレーション撲滅の流れの中で、安易に反則をもらおうとする姿勢に「選手が不幸。ほかに教えることがあるだろう」と、指導者として論外と言わんばかりだった。

返す刀で、クラブの管理責任にも怒りの矛先は向けられた。問題発言の“野放し”状態には「『おかしい』と本人に言わないのは幹部の怠慢。情けないクラブ。社長は何をやってんの?」と疑問を投げかけながら「サッカー自体も逆行している。だから、お客さんも減っている。大変な問題だ」と、かつて社長を務めた浦和への怒りは収まらなかった。


そのことに怒りを覚えたわけではないだろうが、日本サッカー協会の犬飼会長が激怒。元浦和の社長ということもあるだろうが、選手批判をしたフィンケ監督を一方的に非難。返す刀で浦和のフロントをもばっさり斬り捨てた。

まあ、犬飼会長が個人的に怒るのは仕方がない。ただ、公式の場で言ってしまうのはどうなのか。

浦和にしてみれば、これは日本サッカー協会による内政干渉と一緒だ。

フィンケ監督が会見で話したことは公式なもので、すべての人が知ることができる。この発言で、浦和はまた内部紛争が起こっているとか、フィンケ監督の言い分ももっともだと考える。それはファンであっても、アンチ浦和であっても同じで、それぞれに意見はある。言いたいことがあるなら、今はブログという手段があり自由に発表することができる。

しかし、犬飼会長が発表してしまうとそれは別の意味になってしまう。彼は日本サッカー協会の長であり、ひとつのクラブだけを攻撃したことになってしまうのだ。それが監督が責任をもってコメントしたことを批判されたのではたまらない。

それだけ犬飼会長の言葉は重いのだ。どんなに理不尽でも会長が介入することは許されない。

横浜フリューゲルスの消滅も川淵氏が介入したことから始まっている。本来あってはならないクラブの消滅ということが当人とは関係ないところで起こったのだ。

そういう影響力があることを、犬飼会長はご存知ないようだ。

浦和のことは浦和が解決する。それでいいのではないか。

2 件のコメント:

どらぐら さんのコメント...

犬飼さんは口出しし過ぎですよね・・・。
かつて所属したクラブだけに、苦言を呈したくなる気持ちもわからなくはないですが、
やっぱりサッカー協会会長の発言は重いですから、気をつけてもらいたいものです。

kiri220 さんのコメント...

>どらぐらさん

浦和は犬飼さんのところに事情説明にいったそうです。

こういう前例は作ってほしくないですね。
日本サッカー協会の会長は無給の名誉職でいいのではと思ってしまいます。

本人は正義と思っているだけに厄介ですよね。