2008年8月21日木曜日

ウルグアイに完敗!! 世界との差は開いたか

Kirin Challenge Cup friendly match Japan vs. Uruguay @ Sapporo Dome
Japan:own goal 47
Uruguay:Eguren 54,Gonzalez Ignacio 73,Abreu 93

ウルグアイは来日メンバー20人のうち、15人までがヨーロッパでプレーをし、さらに7人の選手がUEFA Champions Leagueの予備戦3回戦以上に進出しているクラブに所属している。フォルランこそ来日していないが、間違いなく最強のメンバー。そのウルグアイを相手に日本代表は岡田流で臨んだが、先制点を奪ったもののうまい試合運びに翻弄され、ゴール前でフリーの選手を作られての3失点。逆転負けを喫した。

ボールを奪う集中力とテクニック、カウンターの速さ、シュートの精度、連携。すべてがウルグアイのほうが上という完敗だった。

ウルグアイ戦後 岡田監督会見 (1/2)
キリンチャレンジカップ2008
(スポーツナビ)

――前半と後半で動きが違ったように見えたが、ハーフタイムでどのような修正をしたのか

 前半は両サイドにプレスが掛からず、(相手に)フリーで非常に正確なボールをトップに入れられてしまう。それでディフェンスラインが下がってしまう。その前のスペースが広がって空いてしまっていたので、後半は4-3-3というか4-1-4-1の形で、ストッパーの前に阿部を置いて、両サイドにプレッシャーを掛けるようにしました。立ち上がりの20分くらいは機能していたんですが、そこからメンバーを代えたこともありますけれど、取られてカウンターという形から、だんだん押し込まれていった感じだと思います。


4-4-2ボックスというシステムで選手を並べればサイドにプレスがかからないのは当たり前。加茂さんがゾーンプレスを提唱しながら4-4-2ボックスを使い、機能しなかったことがまったく教訓として生かされていない。加茂さんから指揮を受け継いだのが岡田監督。W杯フランス大会アジア最終予選で経験したことがまったく生かされていない。あれから10年。あれから一歩も前に進んでいないのか。あるいは後戻りしたのか。

メディアもそれを指摘しなかった。つまりはブラジル流がまだ根底にあり、そして戦術理解をさせないままにゼロトップを使ったことで、混乱を招いたことになる。

――今日、スーツだったのはなぜか。それから攻撃陣が小柄な選手でもチャンスを作れたことに手ごたえは感じているか

 スーツは会長命令です。五輪のときに会長から着るように言われて。(試合が)終わって「まだ着ないといけないですか」と聞いたら「まだ着ろ」と、それだけです。
 それから、小柄な選手の中で、やはりあのプレッシャーの中で、ある程度つないでいこうとしたら全員の技術が高くないと、どこかひとつでミスが出るとカウンターを食らう。そうなると、みんな怖くなって動き出しが遅くなる。前半は少し悪循環になりかけて持ちこたえたんですが。後半はそういう指示をしたので、ボールが動くようになって、サイドを突くために(田中)達也を左サイドに出しました。サイドの裏を突くとチャンスができる、中央はかなりきついという印象は持っています。


スーツのことはどうでもいい。ジャージよりは見栄えがするだろうし。

それよりも中央がかなりきついという印象を持ちながらなぜ中央に偏った攻撃にするのか。サイドの裏をつくとチャンスになるとわかっていて、なぜ徹底的にサイドをつかなかったのか。中途半端にサイドアタックをしても通用しないに決まっている。

牙がひとつしかないなら、その牙を必殺の武器にするまで磨き上げなければならない。それがわかっているのか。

それから岡田がいうミスをするとカウンターを食らうという考え方がおかしい。サッカーでミスが出ないことはありえないし、ミスを怖れていては何もできない。ミスが出たときにどう対処するかリスクマネージメントができていれば、前がかりになっても簡単にカウンターを浴びない戦術を作れる。それがわかっていない人間が代表の監督というのが悲しい。

ウルグアイ戦後 選手コメント
キリンチャレンジカップ2008
(スポーツナビ)

■小野伸二(ボーフム/ドイツ)

はまった時はすごくいい攻撃につながった。自分たちで行くところ、行かないところをハッキリさせていけばいい。全体的にかわされたら次を追うとか、どこが危ないかを判断して、考えればいいと思う。
(代表定着の最後のチャンスと言っていたが)結果がついてこなかったので何とも言えないけど、あとは監督が決めること。今日はいい刺激を受けたし、まだまだやらなきゃいけないことはたくさんある。今まではけがが多くて、まともにサッカーができていなかった部分もあったので、非常にいい勉強になった。

代表でやることは、すごく自分にとってプラスになると思う。(技術のある相手と戦う時は)かわされた時に追って追って、90分間ハードワークできれば、相手に嫌だなと思わせられる。そうできたらいい。今日は相手にうまくやられたし、自分たちもなかなか追えなかった。今後はしっかり声を掛け合っていきたい。

岡田さんは試合後、「完敗だな」と言っていた。すごく悔しそうだった。僕らももちろん悔しいし、相手のうまさを実感したから。またここで成長して、次の(ワールドカップ最終予選の)バーレーン戦をやればいい。


小野のコメントは、自分がもう代表のレギュラーとして使われるという前提の上でのものに見える。ウルグアイ戦が最後ではなく、まだ次があると。

小野のポジションは非情に曖昧だった。自陣バイタルエリアまで戻っていた場面もあったし、そうかと思うとゴール前にもしばしば顔を出した。よく走っていたのは間違いないだろう。ただ、プレーエリアは常に真ん中だった。サイドに開いてもタッチラインぎりぎりで勝負することはなかったし、ドリブルを仕掛けることもなかった。ボールを叩くだけのサッカーに徹し、かつてリトバルスキーにパチンコサッカーと言われた典型的なプレーに終始した。

パスを叩くだけの選手はそれほど怖くない。フリーランニングで見失うことは脅威だが、日本代表でそれができていたのは小野だけだったから、彼がバイタルエリアに入ってきたときのケアで十分だったといえる。バイタルエリアから遠く離れてしまっては小野の存在理由はないのだし。

■中村憲剛(川崎フロンターレ)

サイドバックで幅をとる(ワイドに展開する)のか、前の選手で幅をとるのかで、サッカーが変わってくる。前半、自分はサイドに開くタイプではないけれど、サイドバックが押し込まれていたので。(田中)達也が開くと、それだけ幅が広くなるし。
(サイドバックとの関係で)前が行ったら後ろも行くという呼吸が合った時は、向こうも(ボールを)回せないけど、思い切ってサイドバックが行くシーンは少なかった。そこは反省点。

こっちもチャンスがなかったわけではないと思う。そういう(チャンスの)ところで、トラップの角度とか、そういう小さいところがね。ゴールに向かっていかないと仕方がない。
(チームのコンセプトは)この間の1カ月(6月のキリンカップから3次予選3試合まで)で作ってきたものなので、新しい選手が入ってきて、まだもう少し時間がかかると思うけど、この次(バーレーン戦)までもう少し時間が取れるので、コンセプトは浸透すると思う。


中村憲剛のコメントは、まだこんなことを言っているのかというレベル。戦術理解はまったくできていないし、それで勝手に判断してやっている。さらに技術論では中学生レベル。ヨーロッパでトラップができていないという話をすれば、それが代表レベルなのかと叩かれるだろう。

そして、これが悲しいことだが日本のレベル。世界を驚かせるというのはとんでもない話なのだ。

9月6日にはアウェイのバーレーン戦がある。のこされた時間は多くない。初戦で閉塞感に包まれないようにどうするのか、それがまったく見えてこないことを岡田はどう考えているのだろう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

しかし、、どうでも良いことを聞いて時間がもったいないと言うか、何と言うか。
目先のことにばかり追われてしまうのはNGでこれから世界と戦えるチームを作ってほしいんですよね。
岡田で大丈夫なのか?これは就任と同時にずっと疑問に感じています。
これでワールドカップ予選と出られたら本戦を戦えるのでしょうか?
前大会のようになってほしくはないです。

kiri220 さんのコメント...

>jasminteaさん

たぶん、日本サッカー協会に質問内容を制限されているのでしょう。
ぼくも取材申し込みをしたときに厳しい条件をつけられて、結局はねられたので。

岡田で大丈夫なのかというのはコアなファンなら全員考えていることだとは思います。
他に選択肢がないというのも変ですよね。

ワールドカップでワクワクする試合を観たいですが、それは無理かもしれません。

北京の痛みがどう総括されるかというところにも注目したいと思っています。