なでしこ米国戦前日爆笑「掛け合い」会見(日刊スポーツ)
なでしこの花は、笑って咲く。サッカー女子の日本代表が18日、68年メキシコ五輪男子の銅以来、日本サッカー史上40年ぶり2度目のメダルをかけて準決勝で米国と対戦する。同代表は17日、試合会場の北京工人体育場で最終調整。佐々木則夫監督(50)とMF安藤梢(26=浦和)が「掛け合い会見」で報道陣の笑いを誘うなど、重圧のかかる決戦を前に緊張をほぐした。相手は、04年アテネ五輪金で世界ランク1位の米国。自然体で栄光をつかむ。
メディアはなぜ男子と女子のサッカーを一緒に扱っているのだろう。男子と女子の種目はまったくの別物だ。
例えば、男子のトラック競技で誰かがメダルを獲ったならアムステルダム大会の人見絹枝さん(800メートル銀)以来80年ぶりのメダルと騒ぐのだろうか。日本男子はマラソンとフィールド競技ではメダルを獲ったことがあるが、トラック競技ではメダルを獲ったことがない。それは史上初と賞賛されるべきことであって、24歳の若さで乾酪性肺炎のためなくなった薄命のアスリートと重ねる必要はないだろう。
日本のマスコミはやりそうだけれども。
マスコミの揚げ足はともかくとして、男子の復活はなでしこの戦いにこそヒントがあるのではないか。ミスパスも多いし、技術的には男子の中学生レベルと山郷選手が話していた記憶があるのだが、それでもフィジカルの強い相手にどうすれば勝てるのかということを考えるのは男子と同じ。
女子もフィジカルではどうしても欧米に勝てないのだし、それをテクニックだけではなく、頭脳で打ち破ることを考えてきた。組織で守ってボールを奪ってのショートカウンターとサイドアタック。バイタルエリアでのドリブルとできることはすべてやっている。
EURO 2004のギリシャは無視したのに、EURO 2008のスペインはこれこそ理想型の騒いだブランド好きのメディアと日本サッカー協会はともかくとして、ファンは現実を見なければならない。なでしこが世界に通用するサッカーをやっているなら、女子だからといってバカにしたものでもない。
男子にも彼女たちがやっていることを取り入れるべきだ。もちろん、男子に練り直してという条件はつくけれども。
勝ったもの、結果を残したものに対してリスペクトの気持ちを持ち、取り入れるという姿勢は大事なこと。
今からブラジルのようにスキルフルなサッカー王国にするには気が遠くなるような時間が必要だし、イタリアのような理詰めのスペース消去論を理解させるのは子供の頃からの強化が必要だ。メキシコのような恵まれているとはいえない体で巨人の国を倒すことはさらに体幹を鍛えなければならない。
日本は島国だが、世界中のサッカーを見られるという恵まれた環境にある。ブラジルが負けた試合も、スペインが負けた試合も見ることができる。どうやって倒されたかというのをヒントにして、日本化だけではなくハイブリッドのサッカーを作ればいい。
オリジナルにこだわることはないのだ。大空翼が現実に存在したとしてもひとりではサッカーは勝てないのだし、大相撲の力士がGKになってくれたとしてもゴールは割られるだろう。
それよりも、真似できるところは真似をして、あとは頭を絞って考えればいい。
世界のトップに並ぶためには楽な道はない。学問に王道なしとはいうけれども、サッカーにだって王道はない。ブラジルの子供を日本で育てればあれほどスキルフルにはならないだろう。環境が整いすぎるというのも考えものだが、スラムを実現しろというわけにもいかない。
強いチームを目指すなら、24時間サッカーのことを考え、強くしようと考えた初心を忘れないこと。オフトを招聘した初心を思い出せば、再び日本男子のサッカーは上昇に向かうはずだが。
それより先に女子のセミファイナルでなでしこを応援しよう。
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