2008年7月27日日曜日

ベルルスコーニは独裁者への道を歩くか

免責法の成立のニュースは世界中に配信された。日本語では免責法。英語ではnew immunity law。サーチエンジンにかけてみるだけでたくさん出てくる。

Berlusconi: "Lodo è per la libertà"
Veltroni: "Maggioranza autoritaria"
(La Repubblica)

イタリアで免責法成立 首相が“勝利宣言”(共同通信)

UPDATE 1-Berlusconi "freed" by Italy's new immunity law(Reuters)

こんな法律が成立するのは独裁国家とイタリアだけ。日本で言えば福田総理が総理大臣は在職中にどんな罪を犯しても逮捕もされないし、裁判に掛けられることもないという特権法を通してしまうようなもの。

こんな法律が通ってしまえば、大統領、首相、上院下院議長はよほど高潔でなければ、本当にやりたい放題になってしまう。

そして、この法律を通したのが汚職スキャンダルにまみれたベルルスコーニなのだ。彼はやろうと思えば、イタリアの国家予算を使って自分の会社のメディアセットミランに資金投入しても罪に問われないのだ。あるいはCalciopoliを再び起こしても、ミランだけは罪に問われない。ベルルスコーニの在職中は。

こんな法律を通してしまうというイタリアの国会には本当に呆れてしまう。

カルチョで世界のサッカーファンからの信用を失い、ナポリのゴミ問題で政治の遅れを指摘されて、イタリアはちょっと崖っぷちではあったのだけど、その上にこんな法律とは。

昨日一緒に飲んだイングランド人もアメリカ人もイタリアはおかしいとさかんに言っていた。

Italian govt faces uproar over migrant emergency(Reuters)

一応、反対運動が出てはいるのだが。これで違憲となっても復活できるのがイタリアの不思議なところ。

喉もと過ぎれば熱さ忘れるということを地でいっているのではないか。

ちゃんとした反省をきちんとやっていればこんなことにはならないはず。もう腐敗したクラブはカルチョから追放され、そして政権も清廉になっている。

だが、カルチョは相変わらず不正がまかり通り、八百長問題があり、そしてベルルスコーニは汚職疑惑にまみれている。スタジアム問題もサポーターの安全の問題ももう忘れられている。

いったいどうなっているのだ。イタリア人気質を考えればわかるのだけど、それでも政治にかかわっている人間はちゃんと筋を通してほしいものだ。

これをみて、福田総理がイタリアではこういう素晴らしい法律ができた。日本でも遠そうとか考えないように祈るしかない。

なんだ、この特権階級を守るへんてこ法律は。

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