日本代表候補:大黒,金崎
日本代表候補、流通経済大学と練習試合を実施し、3日間の合宿を締めくくる(08.07.30)(日本サッカー協会)
【岡田 武史 日本代表監督コメント】
「今日はいままで来ていない選手を中心に、その選手が一番やりやすいポジションで使ったが、いろいろな見極めができたかと思う。みんな自分の特徴を出してくれたので「この選手はこういう動きが得意なんだ」といったことが良くわかった。大黒もボールから逃げて受ける動きというのがやはり上手いなと改めて認識した。外から見ているのと、短い時間でも(代表に呼んで)やってみるとでは違う選手も何人かいた。中田浩二に関しては経験も実績もある。まだ怪我が治ってそんなにやってないのでコンディションはきつそうだったが、プレーは計算できる選手だと思っている。ウルグアイ戦に関しては、ほとんどがここに来たメンバー中心でやっていこうと思う。その後のバーレーン戦に勝つことを目標にやっているが、3次予選のおかげでベースができたので、短い時間でチームを作り上げられるんじゃないかと思っている」
日本サッカー協会発表の記事。日本代表候補の勝利を淡々と伝え、岡田さんも全体の総括としていいキャンプができたというコメントを出している。
各選手たちのコメントも前向きで、順調にキャンプを終え、JFLに所属する流通経済大学に快勝して問題なしに見える。
しかし、流通経済大学は7月27日に横河武蔵野 FCとたつのこフィールドで試合を行い、8月2日にはHonda都田サッカー場でHonda FCと対戦する。日本代表候補とのゲームがどこで行われたかは書かれていないためにわからないが、タイトな日程をこなしたのだろうか。
岡田日本失態、大学生に辛勝/練習試合(日刊スポーツ)
どうやら試合は千葉県内で行われたらしい。流通経済大学は茨城県がホームだから、日本代表候補との試合のために遠征してきたことになる。
岡田監督の口から苦しい言い訳が漏れた。「結果はどうでもいい。負けなくて良かった」。直後に「課題は?」と尋ねられ、「言うわけないだろ」とムッとしたように返した。相手はJFLを戦う流通経大2軍の控えメンバーで編成された実質3軍。その相手に苦戦したふがいなさを、痛感していたはずだ。
JFLを戦っているのは2軍のメンバーだったのか。それなら大学サッカーを戦う1軍かというとそうでもなく、2軍のリザーブメンバーが相手。カテゴリでいうと2つ下のチームの控えに冷や汗をかかされたということになる。
攻めては大学生を崩せず、守っても高い位置からプレスをかけるどころか、球際で競り負け、DFラインが下がり、新顔中心の3本目は押し込まれ続けた。最初は細かく指示を出した岡田監督も、途中からは黙って展開を見詰めるだけ。前線で孤立したFW佐藤は「新顔も多かった。やりたいことが浸透していなかった」と指摘。初招集組のMF小川も「運動量が足りない」と反省した。
フォアチェックができていないということは、普段からクラブでやっていないということ。ヨーロッパの強豪なら代表でやることはその国のオーソドックスなサッカーで、選手の戦術理解が遅いということはありえない。いや、仮にあったとしてもそういう選手はすぐにクラブに返される。
そして、フォアチェックはひとりではできず、全体と連動しなければ味方がピンチになってしまう。それができないということはワールドレベルのサッカーができていないということ。大きな問題じゃないのか。
選手たちも日本サッカー協会のオフィシャルのコメントとは違うことを言っている。しかし、新顔が多かったから苦戦したでは済まない。普段はプロとしてやっているのだから、戦術を理解する頭は最低限持っているべきなのだが。
相手の中野監督からも「大学生があれだけペースを取っているんだから、監督の戦術どうこうより、選手が何も感じ取れていないのでは。代表が心配」と気遣われる始末だった。流通経大は27日にアルゼンチン五輪代表と対戦して0-5と大敗。中野監督は「アルゼンチン戦は何もできなかったが、(日本)代表にはプレスを掛ければボールを奪えた。選手も楽しそうだった」とまで言った。
大学生にここまで言われるとは。選手が何も感じとれていないというのは監督の指導が駄目なんじゃ。
練習で選手にやるべきサッカーを浸透させるのは監督の仕事。個人能力だけでやっているのなら、組織プレーというところから学習させなければならないわけで、そんなことでは3日では絶対に時間がたりない。
金崎ら新戦力がゴール…サッカー日本代表候補(ZAKZAK)
岡田監督は「選手たちはそれぞれの特長を出してくれた。いろんな見極めができた」と合宿を総括。8月20日に行うウルグアイとの強化試合は今合宿に招集したメンバーを中心に据える意向を示した。
オシムにはあれだけ厳しかったZAKZAKだが、岡田にはかなり優しい。彼らは野球防衛軍だから、日本代表が弱い方がいいと考えているのか。危機感を持って伝えている日刊スポーツとは正反対の記事。普段は辛口のはずなのだが。
岡ちゃん大変 大久保代役見つけられず(スポーツニッポン)
合宿の大きなテーマの1つが大久保の代役探しだった。最終予選初戦のバーレーン戦出場停止の大久保の穴を埋めるべく、練習試合では工藤、金崎、柏木と中盤の3選手をトップ下に置いた。金崎は3本目の18分にミドルシュートを決めたものの、周囲との連動という意味では3人とも決め手を欠いた。コンセプトを浸透させるには、あまりにも時間が短すぎた。
やはり、ひどい状態というのは本当のことらしい。スポーツ紙は大黒、金崎のゴールを賞賛する持ちあげ派と全体的に低調だったという批判派に分かれている。批判が出なければ、日本代表も変わっていかないわけで、こういう記事が日本サッカー協会の顔色を窺うことなく出てくるのはいいことだが。
こんな記事が出ても日本サッカー協会はこのまま岡田に任せていくのだろうか。