2009年10月9日金曜日

岡田は勘違いの王様なのか

Asian Cup 2011 Qatar Qualifier Group A Matchday 3 Japan 6-0 Hongkong @ Out-Sourcing! Nihondaira Stadium
Japan:Okazaki 18,75,77,Nagatomo 29,Nakazawa 51,Tulio Tanaka 67

香港戦後 岡田監督会見 (1/2)
AFCアジアカップ2011カタール予選
(スポーツナビ)

今回のシリーズは、われわれがワールドカップ(W杯)予選を勝ち抜き、そして欧州遠征をして今後の道筋、やらなければならないこと、本大会までに見えてきたステップアップのための新しいスタートという位置付けでやっていました。ゴールに向かっていく迫力を上げていかないといけないとか、前半に関しては選手たちにもものすごくそういう意識はあったんですが、少し攻め急ぐというか、ゴールに向かう意識は強いんですけど、ある程度押し上げてボールを回すとか、ちょっとバランスがずれていたかなと。

後半はそういう意識が出てきたんですけど、少しミスが出てきた。その中で、何回かいい形で崩して、実際に6点取ってくれた。欲を言えば、あと2、3回いい形でつないでサイドを破ってディフェンスラインの裏に流し込んで(点が)入りかけたかなと。できればそういうので1点か2点が入っていれば良かったですが。先日の会見でも言いましたが、今すぐいい結果を求めるのではなくて、この8カ月で結果を出してもらいたいと思っていますので、今日の試合に関しては選手たちが90分間戦ってくれたこと、そしてチームとして機能していたこと、それらについては満足しています。


香港にもう少しテクニックと戦術眼があって、オーバーロードを利用してサイドチェンジをするということができれば結果は逆になっていた。日本の攻撃は香港のプレスがかからないからこそできたもので、中村俊輔がプレーエリアを守らないために、かなりバランスが崩れたフォーメーションになっていた。勝ったのだからいいというわけではなく、このチームでは中村俊輔が癌になりつつあるということに気付かなければならない。彼は中盤センターの選手ではなく、右サイドで起用されているのだ。駒野の進路を開けるにしても右サイドでキープする、あるいは左サイドからのアタックのときにはエリア内に侵入してファーからアタックをかけるという動きをするべきにもかかわらず、それはまったくできなかった。彼は有効なパスは出したが、プレスがまったくかからない中でミスを連発した。疲れもあっただろうが、このレベルでこれではお話にならない。

――「攻め急ぎ」とか「バランスが崩れていた」ということだが、具体的には?

欧州遠征で、シンプルにサポートが入ってある程度ボールを動かしていけば、ビルドアップまではできると。ただ、そこからの突破に関して、しっかりしたディフェンスをされたときにちょっと物足りなさがありました。ガーナ戦ではある程度できたんですけど。そういうところと、今回いろんなデータを欧州遠征で取ったんですが、クロスの成功率がどうしても日本の場合低いと。これから強いチームと当たっていくときに、中央というのはなかなか難しくなる。サイドの裏(を狙って)からどうしてもクロスで合わせていかないといけない。クロスのキックの質も当然あるんですが、いいポジションを取っていても、入るタイミング(の質)があります。今回、共通の意識を持とうということでトライしていたので、みんなそこを狙うという意識はあったんですが、その前に無理なときにはもっとボールを保持していく。そこのバランスが取れてくれば、という意味で言いました。


その意味では日本の場合、クロスをあげるのはライトバック、レフトバックという両サイドのフルバックの役目だ。松井大輔がえぐることはあったが、中村俊輔、大久保がライン際をえぐってクロスをあげる場面は前半開始早々の中村俊輔のクロスと中澤のゴールをアシストした大久保のクロス以外は見られなかった。

もちろん、中村俊輔の適性という問題もある。彼は真ん中のポジションじゃなければ生きないというのなら、真ん中のポジションに固定すべきで、バランスが崩れたままおかしな中央突破にこだわるサッカーをする必要はない。両サイドに強力なウイングをつけて中村俊輔のパスコースを増やせばいいのだ。それができないのは岡田の責任だろう。

――中村俊が後半は下がってさばく場面が多かったが、何か指示があったのか。それとも、コンディションの問題があったのか?

指示はしていないですし、コンディションも悪くないと思っています。後ろに人がいるのに彼が下がるのは問題ですが、その時は長谷部もヤット(遠藤)も前にいたので問題ないと思います。ちょっと(スルーパスを)狙う意識が強かったので――彼は決定的なパスを、今日も何本も通していたと思うんですけど――もうちょっと楽にプレーして良かったところもあったかもしれません。ミスがちょっと目立ったというところもあるんですけど、やはりゲームを決定付けるようなところを狙っているというのは、われわれにとって貴重な選手だと思っています。


サイドからのクロスをあげるというサッカーを目指しながら、中村俊輔のスルーパスは容認している。これは謎だ。もちろん、サイドアタックに加えてのスルーパスなら効果的だ。だが、中村俊輔は一発狙いが多かった。あくまでもパサーであり、フィニッシャーでもクロッサーでなかった。こういう選手は前におく必要はないのではないか。遠藤と併用しなくても遠藤だけでも構わない。

試合後 香港代表キム監督会見
AFCアジアカップ2011カタール予選
(スポーツナビ)

――今度はホームで日本と対戦するがチーム編成に変化はあるのか? けがで3人の主力選手を今回連れて来れなかったと言っていたが

われわれは弱小チームなので、さらに時間をかけて準備する必要がある。クオリティーの高いチームなら試合2~3日前に集まって準備すれば十分だろうが、香港のようなチームはもっと時間をかけてトレーニングする必要がある。3人のDFを連れてこれなかったことについては、今回の敗因には関係ないと思う。香港に戻ったら協会に対して、もう少し練習できる時間がほしいと提案するつもりだ。


まず薄バカの記者の質問と書き手のことを指摘しなければならない。来れなかったというのはら抜き表現。キム監督の連れてこれなかったこともら抜き表現。文章に起こすのにこういう直しを入れられない馬鹿記者が増えた。言葉をしらないということだろう。日本語を使えない人間は文章を書くべきではない。

香港については、もう少しレベルをあげる必要があるだろう。彼らはミスパスが多すぎた。

「ベストメンバー」の真意 (1/2)
アジアカップ予選 日本代表6-0香港代表
(スポーツナビ)

今回の3連戦にあたり、岡田武史監督は海外組6名を含む28名の選手を招集。森本貴幸、岩下敬輔、山本海人、そして石川直宏と、初招集のメンバーは4名(森本はオランダ遠征で選出するもけがのため辞退。石川は岡田体制になってから初)。これに西川周作、徳永悠平、佐藤寿人といった復帰組3名が加わり、全体の4分の1がフレッシュな顔ぶれとなった。ただし、前日午前の練習(午後の公式トレーニングは中止となった)に参加していたのは24名。残り4名はその日、Jリーグの試合があったためである。7日夜、豪雨のために後半29分で中止となったJ1第25節、鹿島対川崎が行われた。この試合では、岩政大樹と内田篤人、そして川島永嗣と中村憲剛が出場しており、この香港戦には出場しない(ただし川島は、山本がアジアカップの登録メンバーに含まれていないためベンチ入りしている)。

今回の香港戦が台風の影響を受けず、予定通りに行われることになって良かったと思うのは、何も日程だけの問題ではない。実は私自身、メンバーの流動化と競争を促す意味でも、ぜひとも中止は避けてほしいと密かに願っていた。より具体的に言えば、レギュラーが半ば保証されている内田と中村憲に代わって、どの選手がどんな形で試されるのか、ぜひとも見ておきたかったのである。

念のため申し添えておくが、私には内田と中村憲に何ら含むところはない。そうではなくて、今の段階からスタメンを固定化してしまうことで、日本代表が本来持ち得ていたであろう可能性が削がれてしまうことを、何より問題視しているのである。ところが岡田監督の場合、時折フレッシュな顔ぶれを招集するものの、やはり「分かっている」選手を起用する傾向が顕著だ。せっかくフレッシュな顔ぶれが招集されても、結局はベンチを温めただけでクラブに帰らせるというパターンが繰り返されてきた。こうしたメンバー固定化の傾向は、特にDFに顕著だが、中盤に関しても似たような状況が続いている。W杯までの8カ月は、ベスト4を目指すにはあまりにも短すぎるが、さりとてスタメンを固めるにはいささか長すぎる。チームコンセプトにより磨きをかけるのも大事だが、それと同時に選手層に厚みを加えておくことも、チームを進化させるためには必須であろう。

そこで今回の香港戦である。内田の代わりに、バックアッパーの駒野友一が起用されるのは規定路線。だが、徳永が抜てきされる可能性も決してゼロではないだろう。では中村憲が抜けた中盤の左、もしくはトップ下に入るのは誰か。これまでの流れでいけば、オランダ遠征にけがで離脱した大久保嘉人だろう。だが、このところクラブでも代表でも出番が限られていた松井大輔を見極める、絶好の機会と見ることも可能だ。あるいは、中村俊輔と本田圭佑との共存というテーマに取り組むこともできるし、それと関連して5年ぶりの代表復帰を果たした石川の扱いも大いに気になるところだ。

果たして、岡田監督が選んだスタメン11人は以下の通りである。

GK西川。DFは右から駒野、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、長友佑都。中盤は守備的な位置に遠藤保仁と長谷部誠、右に中村俊輔、左に大久保。ツートップは玉田圭司と岡崎慎司。何と、GKと右サイドバック以外は、ほぼ「おなじみの顔ぶれ」である。しかも、森本と岩下と石川はベンチにも入っていない。いくら公式戦とはいえ、かように慎重にメンバーを選ぶ指揮官に、軽い失望感を覚えたのは決して私だけではなかったと思う。


ベストメンバーに近いメンバーを使ったのは岡田がいかに小心者かを示すものだろう。あまりにもひどい。これでは何のために呼ばれたのかわからない。相手は格下の香港で、ベストメンバーを約束しているのはアウェイだけだ。もっと試すだけの選手はいただろうに、よりにもよって疲労の溜まっている玉田を先発させて怪我をさせている。

選手である以上、試合に出たいと思うのは誰でも同じこと。しかし、コンディションを見極めるのは監督の仕事だ。それができないのなら、無能の烙印を押されても仕方がない。はっきりいって、怪我の闘莉王、疲労が蓄積している玉田を使った岡田は馬鹿としかいいようがない。

そうして考えると、森本や石川といった新戦力がベンチ入りしなかったことについては、今さらながらに悔やまれる。とはいえ岡田監督は、どうやら「慎重さ」だけで「ベストメンバー」を組んだわけではなさそうだ。それは、以下のコメントからもうかがえる。

「集まって2日で、まだ(チームに)慣れていない面があって、こういうところでいきなり公式戦というのは、ちょっとかわいそうかなと。今日、この試合を見ることによって、彼らも練習でやっていることのイメージができる」

この言葉を好意的に解釈するなら、森本や石川が外されたのは、今後の試合で活躍してもらうための“親心”だった、ということになる。

次のスコットランド戦までは、中1日。新戦力が試される可能性は、必然的に高まるはずだ。この日、岡崎の2点目をアシストした徳永について、岡田監督は「3試合トータルで」評価したいと語っている。指揮官のさい配についても、この「3試合トータルで」の選手起用と戦い方を見てから、私たちは評価を下すべきなのかもしれない。


石川や森本はアマチュアではないし、プロになってすぐの若手というわけでもない。公式戦であろうとなかろうとチームにフィットするしないは自分たちで調整できるだろう。こんな理由で使ってもらえないでのは永久に使ってもらえない。フレンドリーマッチではいいフィットだったけれども本戦でいきなり使うのはかわいそうかなという理由で外されて納得できるかと言われれば、できないと選手が答えるのと同じことだ。

そういうことが理解できない岡田に率いられていることはものすごく不幸だと思う。

2 件のコメント:

どらぐら さんのコメント...

集まって2日でまだ慣れていない面があるから、いきなり公式戦は可哀想というのは、
「親心」とも言えますが「過保護」だとも言えますよね。
なかなか出場機会を得られない選手にとっては、そんな心遣いは無用でしょう。

とは言え、ここは宇都宮さん同様、選手起用については3試合トータルで評価しようかなと思っております。

kiri220 さんのコメント...

>どらぐらさん

過保護というよりも、たぶん岡田が小心者というだけでしょう。
今日のスコットランド戦は中1日だし、メンバーを大きく変えてこなければ、さらにその印象は強くなるでしょうね。