2011年6月24日金曜日

日本はセカンドレグを落とすもアグリゲートスコアで最終予選に進出!!

London 2012 Olympic qualifying second round 2nd leg. Kuwait 2-1(3-4:agg) Japan @ Mohammed Al Hamad Stadium
Kuwait:Hamad Aman 50,Yousef Nasser Al Salman 59(PK)
Japan:Hiroki Sakai 21

関塚監督「最終予選はこのままじゃいけない」 (1/2)
ロンドン五輪・アジア2次予選 U-22クウェート戦後会見
(スポーツナビ)






2次予選を勝ち抜けて、今は非常にホッとしています。この条件の中、選手も苦しかったと思いますけど、最後までよく戦ってくれました。今日も数多くの日本人の方が応援に来てくれていました。選手にパワーを送ってもらえたので感謝しています。

――クウェートの印象について教えてほしい(地元記者)

やはり、個々のプレーヤーにスピードがあって能力の高いプレーヤーがいると思います。特に攻撃的なところの選手は驚異でした。

――一番印象に残った選手は?(地元記者)

トップの17番(Y・ナセル)の選手です。

――クウェートの強いパフォーマンスについては予想していたか?(地元記者)

はい、このくらいやるだろうということは予想していました。

――第1戦に比べてかなり内容が変わったが、一番影響が大きかった要因は?

やはりこの暑さですね。昨日のトレーニング後も2人ほど熱中症じゃないですけれど、そういう選手が出て、今日も交代のところでけがと体調不良がありました。やはりコンディションを崩す選手がいて、その中でも最後までよくやってくれたなと思っています。

(クウェートのアルシェマリ監督が出てきたこともあってか、クウェート協会のプレスディレクターが突然会見終了を宣言)


前半から体が重く、ロングボールの撃ち合いとなる試合で速さだけが武器となり、クウェートに有利なゲームとなったのは課題だろう。

39℃の猛暑の中でゲームを行う難しさもあり、体調管理も難しかったはずで、勝ち抜けたことには賞賛を送りたい。しかし、相手にあわせたサッカーをしていたのでは常に相手の土俵で戦うこととなり、選手は常に判断しなくてはならなくなってしまう。日本のピッチが整備され過ぎであることを理解した上で、どんなピッチでもボールコントロールできるスキルで攻撃を組み立てるよう修正する必要があるだろう。ベースとなるサッカーを続けられればあれだけ動けなくなることはなかったのではないか。






以下は、会見後の囲み取材

――体調が悪かったのは?

康裕(山本)です。前半から動きがおかしいと思っていました。ハーフタイムに確認したら「もう少しいけます」と言ったんで、行かせました。よくいってくれた。まあ、無理させましたね。

――2次突破を勝ち取れた今日の(試合の)節目は?

やはり1戦目で3-0で終わるか、3-1で終わるかっていうのが非常に厳しいなっていうところと、この方式だとアウエーの2戦目が非常に苦しかったなと思いますね。やはり、今日一番大事なことは先制点を取ることで、前半それで終えたと。ただ、後半になって与えちゃいけない時間帯に点を与えて、自分たちで苦しくなった。向こうもこの一戦しかなく、だいぶ飛ばしていたんで、われわれの方が後半20分過ぎからまだガスが残っていたなとは思うんですけど、その中で前向きにつないでいって得点チャンスがありながら、そこで息の根を止められないというか。あのへんのゲーム運びが課題。

これだけ暑いところだったら、90分をどう使うかっていうのは大事なことだと思うんですよね。先制点を取れて前半を1-0で終えて、後半の45分も相手があれだけ来るところを抑えながら、相手のガスが切れたところでとどめを刺すことができるような戦いが、アウエーでは必要なんじゃないかなと思うんですけど。

――そこで決め切れなかったと?

決め切れないと、最終予選ではアウエーで勝ち点0ということになってしまいますから、やっぱりそこは修正すべき課題としてやっていかないといけないし、それをやるだけの力はあると思います。昨日も東と安藤が(練習が)終わってからちょっと体温のコントロールができなかったけど、回復してくれて今日、東は走れていたし、安藤もベンチに入っていた。アウエーで、しかもこれだけ高温で湿度のないところでの体温調整が本当に苦しかったと思うんですよね。

――決め切れないのは経験不足から来るのか?

どうですかね。チャンスはいくつかあったし、元気な選手をうまく使えばいいところをミドルシュートを打っちゃったり、何か自分がってところがあったり、そこをしっかりと確実に点に結びつけるところがね。経験だけなのか、そこをちゃんとやるメンバーになってほしいと思いますけどね。経験、経験ってことだけで済ますことなくね。

――後半の入りという問題が出てきた?

ちょっと不可解なファウルから失点したってところがあったんで。逆にうちがもらえるファウルじゃないかってところだったんで。でも、そういうところをきちんとやっていかないといけないし、跳ね返さないといけない。


主審は公正だったはず。そうじゃなければ前半のシミュレーションはPKとなっただろうから。あの判定だけでもクウェートよりではなかったと考えなければならない。監督は選手を守らなければならないし、公の場で選手を責めることはしてはならないが。軽率な守備があったのは判断スピードに体がついていかなかったのではないか。

体調が悪かったのならすぐにでも代えるべきだった。スターティングメンバーとして出したのは失敗なら、後半頭から代えなかったのも失敗だろう。選手は絶対に無理ですとはいわない。骨折しても動けるなら出るというのだ。監督が選手をマネジメントできていれば体調不良の選手を出すことはなかったのではないか。

清武からしかチャンスが生まれなかったのは事実で、永井、大迫は上手く絡めなかった。ただ、清武も決定力は問題だったし、東ももうひとつ上の決定力があれば2点目は取れていただろう。





――3枚目のカードについては、原口やほかにも選択肢はあったのでは?

永井が今日は全然動けていなかったんで。裏のスペースを狙うだけでいつもの彼じゃなかった。ただ、彼のスピードは脅威だと思うし、左に張らせたことによってサイドバックの上がりを抑えていたと思うし、そうなるとうるさいのは前の9番(アルエネジ)だけ。その前は12番(アルサネア)だったけど、そこだけになったんで、比嘉がけがで交代しましたけど、吉田も対処できるなと思った。永井も前でああやって競って落としてくれたりしたしね。

今日は東と清武が動けていたんで、そこから攻撃の糸口も作れたし、宏樹(酒井)もこの前のミスを挽回(ばんかい)してくれて点を取った。後半も追加点を取りにいって、しっかり守備をしながら出ていった。右サイドをうまく使えていたんで、大迫がうまく決められればなという感じで。それで蛍(山口)をちょっと後ろ目に残しながら。山村と東と清武はこの暑さの中ですごく動けていたなというのはありましたね。

――クウェートの選手があれだけ足をつらせていた中、日本が走れた要因は?

そこはガスの使い方じゃないですけど、今日は相手が入れてくる縦方向のボールとサイドからのボールを跳ね返して、どうつないでいくかだった。そこで康裕が前半からフリーだったんで、彼がもう少し動けていればあそこで中盤を支配できていたけど、あそこで元気がなかった。2トップで7番(アリ)がうちの左サイド気味にいたんで、ぽっかり空いていたのがちょうど康裕のポジションだったんですね。5番(アルカハディ)の上がりを抑えながら宏樹が1点取りましたけど、あのへんが1つの攻撃の狙いだなと思っていた。ただ、康裕のところでうまく出ていけなかった。

――2次予選を振り返って、しっくりこない面は?

相手にどんなプレーヤーがいるかいろいろ難しいんですけど、そこをよく情報を集めてくれて、1戦目をしっかり勝つことができたし、勝ち抜けたっていうことは選手もよくやってくれたと思う。ただ、最終予選は周りも強い相手なんで、このままじゃいけないと思います。次につながったんで、いいサッカーをして、勝ち上がれるように一歩一歩ハードルを越えていきたいですね。

――上積みしなければいけないのは勝ち切ること?

あとは、最後の苦しい中の頑張りですよね。あれだけ深いタックルも来る中で、どういうプレーの判断をしていくか。そういうのをタフな試合の中で繰り返していかないと。

――中国が負けたが

中東のチームばかりが残っているんですよね。1対3の可能性(最終予選の同組がすべて中東)がありますよね。


交代枠は、吉田、山口、大迫。永井がサイドに開いて相手のフルバックを牽制していたことを考えれば、右に攻撃が偏り、左サイドからのアタックがほとんどなかったことは、アウェイでは仕方がないか。原口が入ったからといって点が取れたとは限らないし。ただ、クウェートのアタックは日本の左サイドからと考えると大迫が低い位置で粘ることとなったのは当然の結果ともいえる。もっと高い位置でプレーしていたら相手も上がれなかった可能性はあるが、あくまでも結果論でしかない。

勝てなかったのは残念だが夏の中東を経験できたのはいいことだろう。とはいえ、この中東で本当にワールドカップをやるのだろうか。動けないことは間違いないし、凡戦ばかりになるだろうに。

12チームのうち中東が7チーム残った。オーストラリア、韓国がシードされるとしたら、サウジアラビア、カタールなど強国と一緒になるとも考えられる。ポットの関係もあるし、抽選がある7月7日にすべてが決まるということだ。オーストラリア、韓国、ウズベキスタン以外はすべて多湿猛暑の地域。日本も暑くなってきたが動けないのでは意味がない。とはいえ、サウナスーツを着てトレーニングさせるわけにもいかず、どうするかは問題だろう。




――こういう蹴り込む戦いをされるのは?

今日はクロスとか長いボールの対応はうまくやっていたと思いますね。ただ、PKになったところとか不用意なんで、突き詰めないといけないですね。

――予選形式についてだが、関塚さんがホームとアウエーを選べたとしたらどっちを選んでいたか?

最初はもちろんアウエーを選びますよ。今回は気がついたら決められていました。何でという感じだったんでね。最終予選は移動時間もかかるし、どういうスケジューリングでやるかを考えないといけないですね。

――韓国とオーストラリアとは同組にならない?

ほかにも強いところはたくさんいるんでね。日本も上積みをすれば、しっかりした戦いになると思いますね。

――ここ2日のコンディション調整について

2日では読めないところがありましたね。この暑さは発汗させることができない。こういう発汗のない暑さは僕も初めてです。日本サッカーの各カテゴリーも経験がないんで、対応を考えないといけないですね。水も飲んだ方がいいけど、あまり飲みすぎると下痢をしたりするし、こまめに飲むとかいろいろ工夫も必要。とにかく6月の中東は本当に大変だと思いました。

――2点目を取られたときは焦ったか?

相手も足がつっていたんで、そこまでは。ただ、そこから(自分たちがゴールを)決められなかったことがね。後半は立ち上がりからセーフティーにいけと言っていたんで、ガスは残っていたと思いますけど、あとは決めるだけでした。そこを決められるように、という宿題が残されましたね。


クウェートの選手は暑さになれているとはいえ、プレッシングサッカーではなかった。あの環境で90分プレスをかけつづけることは無理だろうし、ロングボールサッカーで縦に走り続けるのも無理。3人前線を代えて走ってきたら危険だったが、後半は足が止まっていた。

日本はセーフティにクリアしすぎではあったが、パスをゆったりつないで鳥籠作戦をとるなり、いろいろ方法はあったのではないか。カウンターを許せばきつくなる。とはいえ、あの環境ではあれ以上の結果は難しかっただろう。

結果論になるが2点目を取っていれば楽だったとしかいいようがない。


■U-22クウェート代表アルシェマリ監督

「選手は精神的に疲れていた」

今日のクウェートはよく頑張ったし、わたしも監督として頑張った。残念なことなのだが、今日はとても重要な試合にもかかわらず、クウェートの記者が1人しかいない。地元の新聞記者だけだ。最近の代表チームはとても批判されているが、クウェートサッカー協会も頑張っているので、サポートしてもらいたい。ただ、今日の試合でサポートしてもらったクウェートのファンには心から感謝したい。

クウェートの選手は精神的に疲れていた。チームとしてけが人が多かったことが痛かった。次のラウンドに進めなかったとはいえ、この結果には満足している。最後に日本の皆さん、おめでとうございます。


クウェートには中東の厳しさを教えてもらった。心からお礼を言いたい。今回は残念だったが、次に対戦するときにはさらにレベルアップしたカウンターを見せてほしい。日本もソリッドな組織を作って対抗できるように研鑽しておくから。

クウェートのサッカーに幸運が訪れることを心から祈り、ありがとうと言いたい。


そして、日本がオリンピックに出られるよう、課題を修正していくことを、関塚さんにお願いしたい。

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