2010年10月7日木曜日

バティスタ監督前日会見、メッシの話題に質問が集中!!

International Friendly Match Kirin Challenge Cup 2010 Japan vs. Argentina @ Saitama Stadium 2002 8th October 2010

試合前日 アルゼンチン代表バティスタ暫定監督会見
キリンチャレンジカップ2010
(スポーツナビ)

明日の試合は非常に難しいものになると思う。というのも、日本はこれまでどんどん成長してきた、その進化の過程を知っているからだ。ワールドカップ(W杯)からの成長をずっと追ってきている。日本は相手チームをリスペクトしながらもいいプレーをするし、選手たちも技術的に非常に素晴らしい。われわれアルゼンチンとしては、とにかくいつものプレーができればと思っている。


アルゼンチンはアルゼンチンの戦いをするはずだ。埼玉スタジアムは既にチケット完売。メッシ、イグアイン、テベス、ディエゴ・ミリートという豪華な攻撃陣、マスチェラーノ、カンビアッソという固いセンターにディ・マリア、パストーレという伸び盛りの若手、エインセ、ガブリエル・ミリート、デミチェリス、サムエル、ブルディッソとワールドクラスのDF陣。ほぼベストメンバーといえる来日メンバーだろう。故障者がいても十分に戦える選手が集まっている。ブックメイカーならアルゼンチンの圧勝とつけそうな強豪であることは間違いない。

W杯南アフリカ大会でソリッドな組織的守備でわずか2失点に封じ込めた日本代表がどこまで通用するのか、本番ではない戦いでどこまでリスクを冒せるのか、その部分が問題になる。ザッケローニにはぜひそういうことを聞いてみたいが、アルゼンチンのバティスタ監督はアルゼンチンのゲームをすると言い切っている。

――メッシの状態はどうか? 明日の起用法も含めて教えてほしい

メッシは早期に負傷から回復できたので、プレーはできる状態だ。どうなっているか完全には見ていないが、チームと一緒に準備している。今日の午後、選手たちにスタメンを発表することになっているので、その前に教えるわけにはいかない。ただメッシは、フィジカルでは準備万端だと思う。


スター病というところか。どこの国のメディアも同じだが、メッシがいるかいないかで勝負が決まるわけじゃあなし、メッシを見るための興業試合でもなし。本気のメンバーを揃えてきたアルゼンチンに日本がどこまで食い下がれるかということが問題なのではないか。それとも、メッシがハットトリックをすれば日本代表が惨敗しても満足なのか。

――アルゼンチンはずっと非公開練習だが、自信のほどは? それからザッケローニ監督の印象と日本で注意すべき選手は誰か教えてほしい

練習については、すべて非公開でなく、最初はメディアにも公開した。2回目が非公開だったと記憶している。自信についてだが、自分たちが勝つという自信を持って選手はプレーしてくれると思う。自信がないといいプレーはできない。われわれも相手チームを尊重するが、自分たちが絶対に勝つという気持ちで試合に臨む。  

ザッケローニ監督については(チームの)プレースタイルを含めてよく知っているが、ただしそれはイタリアでの話だ。リーグと代表とでは性格が異なる。ただ、基本的に監督の戦略はおそらくさほど変わらないと思っている。わたしが見ている限り、3ラインで試合を展開していたので、今回もそうなると考えている。われわれはザッケローニ監督が率いる日本の試合を予習できていないので、どうなるかは分からない。ただ自分の印象としては、監督が変わっても日本のプレースタイルというものは、W杯や(大会後の)パラグアイ戦、グアテマラ戦と、あまりやり方を変えてこないのではないかと思う。

――日本のプレースタイルは変わらないということだが、日本をどう見ているか? また、この試合の位置づけ、そしてどんなプレーを見せたいか?

日本のサッカーはチームとして秩序立ったプレーをしているし、技術的にも良いレベルだと思う。特に本田(圭佑)は非常にテクニカルにレベルが高い。それと19番(森本)。そして、とにかく走り回るチームだし、2トップに付けるマーカーがいいと思う。攻守両面で優れているチームだと思う。

試合の位置づけだが、アルゼンチン代表はアルゼンチン代表だ。親善試合であっても真剣勝負で臨む。アルゼンチンは必ず勝たねばならないからだ。選手個人レベルでいえば、一歩一歩、明日に向かっていくということになると思う。ポジティブな形で明日の試合に臨めればと思う。明日の試合はプレーヤーにとってもそうだが、われわれテクニカルスタッフにとっても重要であると考えている。


岡田前監督のシステムは一応4ラインだったのだが、本田圭佑がトップだったことで0トップの3ラインととらえられたということだろうか。グアテマラ戦までチェックしているなら、バティスタ監督は本当に手を抜かないで、日本戦を重要視して入ってきていると言えるだろう。

まともに噛み合ってくれれば面白い試合になる。決定機はアルゼンチンのほうが多いだろうが、日本も守備は改善されているはず。まさか、合宿で練習したことを試合に入ってすぐに忘れたりはしないはずだ。惨敗しても勉強にはなるが、僅差ならもっと勉強になる。その上で、しっかりどこが悪かったか、よかったかを勉強すればチームとして大きく成長をすると思う。

――アルゼンチンは両サイドから攻め込むスタイルだが、今回はサイドの選手が負傷で招集できなかった。また、相手FWのマークに付くべき選手も負傷した。これらについて、どう考えるか?(アルゼンチン記者)

確かに今回、両サイドの選手が消えてしまう形になったので、いつものやり方ができないことに戸惑っている。特にサイドにディフェンスラインの選手が2人来られなくなったので、追加招集している。そのため、いつものようにトップにマーカーをつけられないと思っている。追加で招集された選手に関しては、攻撃と守備、両方できる選手ではない。わたしとしては両方をこなせる選手を求めているのだが、そうした選手はそろえられなかった。今後、そうした人材は育成しなければならないと思っている。当初はマンサブリ、マンチェリッティらも考えていたが、そのあたりの問題は今後、詰めていきたいと思う。

――メッシはキャプテンになることが希望だったが、今回はマスチェラーノだ。そのことで気分を害していなかったか?(アルゼンチン記者)

メッシとはその件で話して納得してもらった。キャプテンマークを付けさせることでプレッシャー与えたくないので、ほかの選手にキャプテンになってもらった。彼には伸び伸びとプレーに専念してもらいたいと思う。

――ヨーロッパでプレーしている選手、ガイタン、サビオラ、アイマールらは招集されなかったが、今後はどうなのか?(アルゼンチン記者)

もちろん、この3名がどういうプレーをしているかについては常に追っているし、彼らの人物もよく分かっている。彼らだけでなく、海外で活躍していて招集していないほかの選手についても、自分たちは常に追っている。彼らもこれから先、招集される可能性は十分にある。彼らのプレースタイルも知っているし、これからも情報を収集していきたいと思っている。

――メッシがバルセロナでプレーする時のように力を引き出すには、何が必要だと考えるか? また彼に最も期待することは何か?

メッシについてだが、クラブでの試合と代表戦とでは違う。バルセロナと代表の練習のスタイルも違うので、そのあたりも関係していると思う。代表では試合の2~3日前に集まって、そこで初めてチームとして練習する。その意味でバルセロナとは環境が違う。

それから、代表で実力が発揮できていないという評判に関しては、わたし自身はそんなことはないと思っている。素晴らしい選手なので、いろんな人がいろんなことを期待しているようだが、わたしの代表ではちゃんとプレーしてくれていると思っている。また、W杯でも大変良いプレーをしたと思っている。過去にわたしが指揮を執った試合の中では、非常に良い(プレー)内容だった。さらに良くなる必要はあるかもしれないが、少なくともわたしは彼のプレーに満足している。メッシに期待することとしては、とにかく試合を楽しむこと、それだけだ。

――メッシについて、サイドとトップ下、ベストのポジションはどこだと思うか?

彼はどこでも機能する選手だ。バルセロナでは右でやっていたが、左でも、トップ下でもプレーできると思う。ただ現在の代表では、右サイドがいいと思う。

――明日の試合を楽しみにしているファンに一言

アルゼンチン代表に対して日本の皆さんは温かいが、ここは日本なので、おそらく日本代表を応援するかと思う。しかしながら、われわれはアルゼンチン代表として、皆さんの前で素晴らしい試合をお見せできればと思う。


アルゼンチンの記者は、マラドーナと比べてどう変化するかも考えているに違いない。アルゼンチンのスタイルを十分に熟知した上で、メッシの役割、チーム内の状況、呼ばれなかった選手のことも質問している。こういう質問を日本のメディアにもやってもらいたいものだが。

今季は思ったよりも調子が上がっていないバルセロナはメッシの怪我が原因だと考えているのだろうか。

決戦は明日。

キックオフを楽しみにして待ちたい。ザッケローニの守備セオリーがどこまで浸透したかもチェックしつつね。

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