2010年2月7日日曜日

結局は何も分かっていなかった岡田武史という人物

East Asian Football Championship Matchday 1 Japan 0-0 China PR @ Ajinomoto Stadium

中国戦後 岡田監督会見 (1/2)
東アジアサッカー選手権2010 決勝大会
(スポーツナビ)

まず前半に関してビルドアップはだいぶよくなってきたと思いましたが、最後のゴール前でサイドを何度崩しても、そこで思い切りがなかった。もっとゴールを奪うところで迫力を(出せ)、という指示をハーフタイムに出して、ちょっと強く言い過ぎたのか後半はサイドから背の高い相手に対して、早く放り込み過ぎるところがあったかなと。もうひと工夫ある形があれば良かったと思っています。どちらにしろ、だいぶ動きが出てきて(ゲーム)感覚が戻ってきたと思います。DFとGKについては、オウンゴールになりかけたピンチもありましたけど、戻りも早かったしカバーリングも早く戻れるようになった。何とか次の香港に勝って、韓国と(いい状態で)当たれるようにしたいと思っています。


日本のていたらくはどうなのだろう。

FIFA/Coca-Cola World Ranking47位のベネズエラに比べて中国は87位。実力は中国のほうがはるかに下だ。W杯予選でもベネズエラは8位(プレイオフまで勝ち点2差)だったのに対し、中国は最終予選にも残れなかった。

ベネズエラはブラジルアルゼンチンといった強豪国と争わなければならないのに対し、中国はオーストラリアカタールイラクというグループに組み込まれたとはいえ1勝しかできなかった。

力が落ちる相手にチャンスを多く作れるのは当たり前。本戦ではより強い相手と戦わなければならないのだ。

それなのにこの緊張感のなさはどうだろう。ベスト4とぶちあげたことは他人事なのか。できると信じているなら、その方法論をしめしてほしい。それがわからないからファンは戸惑っている。ノーとしか言えなくなっている。ファンのほとんどは日本の立ち位置はわかっている。中国戦のあとのブーイングはどう受け止めたのだろうか。

――ベネズエラ戦では攻撃陣の組み合わせが悪かったと言っていたが、今日の組み合わせについてはどう考えるか?

今日はある程度(一緒に)やっているメンバーなので、問題ないと思っていました。その意味で、コンビネーションとかそういうことでは、素晴らしいということではないですが、だいぶよくなっていると思います。ただ、今日は強引に短期間で動きを出すために、3トップという形を採りました。2トップでもこういう動きが出るようにしていかなければならないと思っています。

――今日のゲームの構図は、中国が10日間かけて準備をして、完ぺきなゲーム戦術をしていたと思う。それに対して、日本は今まで通りのゲーム戦術だったと思うが

われわれが中国戦に向けて特別なチーム作りをせず、これまで通りのやり方で戦ったことは事実です。中国がどういうふうにしてきたか、ということについてはわたしは分かりません。ただ、楽観的すぎるかもしれませんが、それでわれわれが相手の策にハマってカウンターでピンチを招いた、というふうには思っていません。カウンターを受けるのはある程度覚悟していて(守備陣の)戻りをテーマにしていましたので。非常に早い戻りで、最後にディフェンスラインの裏を破られることはなかったと思っています。

攻撃に関しては、ディフェンスラインのサイドの裏を突いて、何度か前半に決定的に近いチャンスを作れた。後半も大久保のシュート、内田のポストに当たったシュートと、そこそこチャンスらしいものは出だしたかなと。攻撃に関しても、同じような感想を持っています。


3トップでも中に絞った3FWだった。岡崎がチャンスメイクに徹し、大久保は決定機を決めきれなかった。玉田に関しては存在感すらなかった。いや、存在感がないのは構わないのだけど、それは決定的な仕事をしての話だ。岡崎のクロスをあわせ損なったシーンをのぞいてはなにもなかったのでは意味がない。

あれでチャンスをいくつか作ったというのなら、中国のレベルの低さに助けられたということだろう。にも関わらず、点をとれなかった。内田は本来守備に重点をおく選手。攻撃参加もするDFだ。その選手がセットプレーではなく、攻撃参加で惜しいシュートを放ったからといってそれで喜んでいたのでは意味がない。

――ワールドカップ(W杯)本大会の4カ月前に、W杯に出場していない中国に対して0-0、しかも前半終了後も試合終了後もサポーターからブーイングが起こった。それに対して監督は前向きなコメントが多いが、本当に満足しているのか?

もちろん結果に対しても内容に対しても、われわれはまだまだやることがあると思っていますが。完全に満足しているわけでは、もちろんありません。ただし今の時点で、シーズンが始まってこういう試合ができて、W杯に向けてそんなに大きな問題があるとは思ってはいません。

――かつて中田英寿氏が「日本のサッカーはゲーム感覚でプレーしている。今はボトルネックにぶつかっていて、レベルアップをするのが難しい」と発言していた。今日は中国に対して日本は苦戦したと見ているが、こうした発言についてどう思うか?(中国人記者)

ヒデがどういうことを意味して言っているのか、わたしには理解できないんですが、われわれは日本人に合ったというか、今の日本人が勝つためにベストなサッカーをしていると思ってやっています。中国とは力が拮抗(きっこう)した関係で、今までもそんなに完勝した試合というのがなかなかなくて、いつも厳しい試合をしていると思っています。ですので、その言葉に対してわたしが直接コメントのしようがない、というのが正直なところです。


結局はシーズンオフということを言い訳にしている。W杯はヨーロッパのシーズンオフ。だからといって、彼らが敗戦にそのことを理由にしただろうか。岡田さんのいっていることは自己保身の言い訳に過ぎない。

中田英寿が言っていることが理解できないというのは頭が悪いのか、それとも批判だと思っているから考えていないだけだろう。こういう硬直した人間が大学の先輩というだけで情けない。あまりにもひどすぎる。

この人は懇切丁寧にこどもにものを言い含めるように言っても理解できないのではないか。

――後半の終盤で選手が疲れてきて、クロスの精度が下がっていたように感じられた。もう少し早く最後の交代をしても良かったと思うが、引っ張った理由は何だったのか?

疲れてきているのはもちろん分かっていました。ただ、わたしは練習などを見て、ここ2週間くらいですか――その中で交代で出す選手が劇的にゲームを変えられるとは判断しなかった。だから代えませんでした。

――ここ2試合、客席に空席が目立つ。それから、ハーフタイムでブーイングが沸いた。W杯イヤーの序盤でこのような反応があることについて、プロの監督としてどう思うか?

お客さんのことに関しては、そこまで背負い切れないところがわたしにはあります。いろんな事情があるとは思いますが、それに対して、わたしがお客さんを呼ぶために人気のある選手を使うとかそういうことではなくて、強いチームを作っていくことが使命だと思っています。

サポーターのブーイングに関しては、もちろん真摯(しんし)に受け止めないといけないと思っていますが、われわれは今、勝つため、あるいは強いチームを作るためにベストを尽くしています。ある意味、そういうふうに(サポーターから)評価されているのは当然だと、しょうがないと思っています。それを力にして、強いチームを作っていく。わたしの仕事はそういうことだと思っています。


交代要員にチームを変えられる選手がいないというのはそういう選手を招集しなかったからだろう。それは論理のすり替えだ。それに観客席が埋まらないのはスターがいないせいでもなく、試合が面白くないからだ。面白くない試合にどれだけお金を払えるというのだろう。強豪相手に一歩も引かない魅力的なサッカーをすれば結果、惨敗でもお客さんはついてくる。それが分かっていない。結果至上主義の悪癖といっていいだろう。監督がそう考えていたのでは成長は望めない。

試合後 中国代表ガオ・ホンボ監督会見
東アジアサッカー選手権2010 決勝大会
(スポーツナビ)

今日は中国も日本も観客に素晴らしい試合を見せたと思う。双方ともアグレッシブな攻撃を仕掛け、勝利への意欲を見せた。日本はポストに当たるシュートもあったが、中国もPKが決まらなかった。0-0という結果は双方にとって納得できる結果ではなかったか。今回の試合のために10日間の準備で臨んだが、非常に満足している。

――今回、監督になって一番素晴らしい結果だったと思うがどうか? また日本に結果的に勝てなかったことについて、何か宿命的なものを感じているか(中国人記者)

0-0で勝者がいなかったということを理解している。日本のアドバンテージとしては、中盤のスペースでアジア随一の強みを持っていると思う。中盤は全体をコントロールすることに力量を発揮できる。一方、中国はペナルティーエリアでは優れたアドバンテージを発揮した。その意味では日本よりも勝っていたと思う。次のアジアカップでまた日本と対戦した場合、中盤の戦力と得点力を高めることだと思う。もし、今言った面で成果を挙げたならば、確実に日本に勝つことができるだろう。

――PKについて、15番のヤン・ハオが蹴ったが、事前に決まっていたことか? あるいは選手たちが決めたのか? 経験ある11番のクー・ボーに蹴らせることは考えなかったのか(中国人記者)

PKが決まらなかったのは技術的な問題ではない。あのプラティニのような選手だって外すことはある。ヤン・ハオが決められなかったのは運がなかったからだ。なぜなら、PKで最も成功率が高かったのは彼だったからだ。


中国にとっては勝つチャンスがあった試合ということで経験値はアップしたはずだ。中国も結果至上主義だが、まだ伸びしろがあるように見える。

日本は岡田さんでいる限り頭打ちだ。中盤に決定機を作るという意図が薄く、FWが決められないのは得点力不足と嘆いている。たしかにチャンスはあったが、3回のチャンスで決められないなら5回、10回とチャンスを作ればいい。強豪でもスーパーなFWがいるわけではない。チャンスボールがこなければ単独で打開するのは難しい。

強豪国のように怪物が現れるのを待つのではいつまで経っても進歩しない。今、ある武器をどういかすか考えるのが監督だ。その点、中国は日本の中盤とFWを分断し、決定機を詰めさせないことに成功した。しかし、日本は何の策もなく、ゲーム感覚のままで試合をしただけだった。

ブーイングの理由 (1/2)
東アジア選手権 日本代表0-0中国代表
(スポーツナビ)

さて、日本代表である。

やはり大会初戦ということからか、岡田武史監督は国内組での「いつものメンバー」をスタメンにチョイスした。GK楢崎正剛、DFは右から内田篤人、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、長友佑都。中盤はディフェンシブに遠藤保仁と稲本潤一、右に玉田圭司、左に大久保嘉人、トップ下に中村憲剛(この3人は流動的にポジションを変えていた)。そしてワントップに岡崎慎司(状況に応じて3トップになった)。期待の小笠原満男は「メンタル、フィジカル両面で疲れが見られる」(岡田監督)という理由で控えに回った。だが、コンディションに不安が残る内田や玉田がスタメンに名を連ねていることを考えると、この理由は素直にうのみにできない。おそらく経験値とコンビネーションを考慮して、この「いつものメンバー」こそが、現状での「ベストメンバー」と判断したのだろう。

この日の岡田監督の指示は「サイドで起点を作ること。中でパスをつなぎながら、サイドチェンジを有効に使っていくこと」(玉田)というものであった。サイド攻撃が機能しなかった、先のベネズエラ戦での反省があったのは間違いない。この要求に対して、選手は懸命に応えようとした。しかしその懸命さは、時に愚直であり過ぎた。左からは長友がドリブルで切り込み、右からは内田がサイドチェンジを試み、そして中央から岡崎が走り込んでゴールラインぎりぎりから折り返す――。そんなシーンが何度も見られたのだが、クロスを供給しても中の人数は足りていないし、たとえ選手がいてもゴールへの迫力もなければキックの精度もない。しかも、何度も何度も同じ過ちを繰り返す。こうなると、本来は手段であるはずのサイド攻撃が、何やら目的化しているようにも見えてしまう。

そのうち日本のスピードに慣れてきた中国は、相手のクロスをしっかりブロック、あるいは空中戦ではじき返し、そのまま一気にカウンターを仕掛けるようになる。前半30分を過ぎてからは、前線でしっかりパスがつながるようになり、日本は次第に防戦一方となっていく。32分には中盤からの縦パスから、ガオ・リンが振り向きざまにきわどいシュート。その1分後には、中澤のクリアボールをロン・ハオが強烈なミドルシュートで放ち返し、弾道はポスト左をかすめた。技術面での劣勢を愛国心でカバーしてラフプレーを繰り返していた、2年前の中国とは明らかに違う。14年W杯出場を目指すこのチームは、これまでになくモダンで、クレバーで、まるで日本へのコンプレックスが感じられない。今後、アジアカップやW杯予選で対戦したときには、実に手ごわい相手になりそうだ。

試合はスコアレスのまま、後半もピリッとしない展開が続く。会場が沸騰したのは3回。後半9分の内田のシュートが逆サイドのポストをたたいたシーン。17分、玉田に代わって平山相太が投入されたシーン。そして37分、中国のPKのチャンスを楢崎が好セーブで防いだシーン。だが、個人的に最も印象的だったのは、後半14分に中澤がインターセプトから単身持ち込んで、そのままクロスを上げようとしたシーンだ。特にゲームの行方を左右するようなプレーではない。それでも、キャプテンとしての責任感、そして攻撃陣のふがいなさへのいら立ちが、22番の背中を押したように思えてならなかった。

その後、後半40分には佐藤寿人と金崎夢生がピッチに送り込まれるも、ゲームの流れを変えるには至らず。日本はベネズエラ戦に続いて、またしてもホームでスコアレスドローを演じてしまう。試合後、会場はブーイングの嵐で騒然とした空気に包まれた。


試合に関してわずかこれだけの文章ですべてが言い尽くされてしまう。これは不幸なことだ。代表偏重主義の日本で、代表戦があればすくなくとも1週間はあの試合はどうだったこうだったと侃々諤々の意見が飛び交うのが健全なサッカー強国の姿だ。たしかに日本は強国ではないのだが、それでもこれだけのことでもう後がでてこない。

両サイドのフルバックにサイドアタックを丸投げしているのはどうかとか、ゴールゲッターの岡崎がチャンスメイクに徹していたのは大久保、玉田のさぼりなのかとか、そういうレベルの話しか残っていない。楢崎のPKストップは素晴らしかったが、サッカーの華はやはりゴールだ。ゴールにいかに迫ることができたか、それがワクワクする話題になる。イタリアのように守備で興奮するようにはできていない。

その攻撃が消化不良だったのだから、ブーイングも当たり前の話だ。

あらためて、この試合で気になった日本の問題点を3つ、指摘しておきたい。

まず、日本の目指していたサッカーが、10日間の合宿を行った中国に封じられてしまった、という事実。「われわれが中国戦に向けて特別なチーム作りをせず、これまで通りのやり方で戦った」と岡田監督は語っているが、それはすなわち「われわれのサッカーを貫いていく」ことへの揺るぎない自信があったからだろう。だが、当然ながらW杯で対戦する3カ国は、中国よりもはるかに強く、そして時間をかけて綿密なスカウティングをしてくる。世界と伍(ご)するべく金科玉条としてきた「コンセプト」だが、実際はアジアレベルでも通用しないのではないか――。そんな不信が、この試合を契機に選手や世論に伝染していったならば、これは実にやっかいなことになる。

次に、言われたことしかできない(やらない?)選手たち。遠藤は語る。
「サイドに行ったらセンタリングをして、ニアに誰かが入ってきて、という型にはまったプレーというのが多かったように思う。言われたことを言われた通りにやるという、日本人の悪いくせが出た」

確かに前半は、きれいにサイドを崩してクロス、という「型」に選手たちは拘泥し過ぎていた。ゴール前での泥臭い飛び込みが持ち味の岡崎も、サイドに流れて折り返すクロッサーに徹してしまい、結果として玉田や中村憲への「幻のアシスト」を量産していた。もっと早いタイミングで、自ら強引に持ち込んでシュートを放つような選択をすべきであった。岡崎に限らず、この日の攻撃陣にはプレーでの意外性や強引さが恐ろしく欠如していた。逆に中国の守備陣にしてみれば、これほど対処しやすい相手もなかっただろう。

そして最後に、本大会に向けてのロードマップが、まったくと言ってよいくらい見えないこと。実のところ、これこそが最も気になる問題点である。

私自身、何も「ベスト4」こそが、日本に与えられたミッションだとは思ってはいない。むしろ「ベスト16」に進出できれば大成功だと考えているし、たとえそれが不履行に終わったとしても、日本人としての誇りを与えてくれるような戦いを披露して「精いっぱいやり切った」という充足感を与えてくれれば、それだけでも十分に称賛に値する(過去3大会、日本は一度としてこの「やり切った感」がないまま終戦を迎えていることを思い出そう)。だが、いくらオフ明けで2試合目(1月6日のイエメン戦を除く)とはいえ、残された時間は4カ月。しかも限られた試合数の中で、どのようなプロセスによって日本が世界と互角以上にわたり合えるのか、まったくイメージできないのである。


実際のところ、サッカーが分かっていないのではないかというくらいのひどい出来だった。過去の日本代表のサッカーはもっと面白かったはずだ。決勝トーナメントを義務づけられていたトルシエの時代から結果至上主義になり、ジーコは自由という名前のもとに選手に丸投げをした。ジョホーバルで勝利したことでW杯に行くのが当たり前になり、みずからを強国と勘違いしているような気がしてならない。

昔の日本代表は目を覆いたくなるような弱いチームだった。メキシコ五輪のことは知らないのだが、そのあとはアジアレベルでもボロボロに負け続けた。それでもDFがファンタジスタだったり、信じられないような簡単なシュートをミスしたり、とここを直せばという課題はいつもわかりやすかった。

今はそれがわかるファンとわからないファンに別れている。

どことあたってもそこそこの試合をする。しかし、そのそこそこの部分がつまらないということだろうか。

試合後の味スタでは、これまでに聞いたことがないくらい、激しいブーイングが沸き起こっていた。それは単に、中国相手にスコアレスドローという結果に終わったからではない。少なくとも何割かは、本大会に向けてのロードマップが見えないことへの不安や疑念から、自分たちの代表に、そして岡田監督にブーイングを浴びせていたことだろう。

この点について問われた岡田監督は「もちろん真摯(しんし)に受け止めないといけないと思っていますが、われわれは今、勝つため、あるいは強いチームを作るためにベストを尽くしています」と答えている。とはいえ、監督が目指すものが「今の日本人が勝つためにベストなサッカー」だとして、それが4カ月後に迫った世界の舞台で、本当に実現できるのかと問われれば、いささかの不安や疑念を抱かずにはいられない。それこそが、試合後の味スタを包み込んだブーイングの理由のひとつだったと、密かに確信している。

それでも私は、ブーイングがあったこと自体は、決して深刻に考えてはいない。なぜなら、ブーイングをする側もされる側も、最終的に目指すベクトルは同じだからだ。それよりも私が危惧(きぐ)しているのは、何も言葉を発することなく、試合終了前に席を立った人々のことである。気温2.5度の寒空の下、ほとんどカタルシスを感じることもなく、無表情のままスタンドをあとにする人々。記者席があるメーンスタンドにいた観客は、その多くがライト層のサッカーファンだったと思われるが、おそらくこの人たちの大半は「もう代表戦はこりごり」と感じたことだろう。ちなみに、この日の入場者数は、2万5964人。ベネズエラ戦(2万7009人)に続いて、またしても代表戦が3万人を切った。W杯イヤーであることを考えれば、これは実にゆゆしき問題だと言わざるを得ない。

岡田監督は、そして日本サッカー協会は、こうしたライト層のファンをもっと大切にすべきである。なぜならW杯は、五輪と並ぶ国民的行事であるからだ。国民的な盛り上がりとサポートがなければ、おそらく本大会では奇跡さえも望めまい。だからこそ「日本代表=国民の夢を託せる存在」という存在意義の原点に、今一度立ち返った上で何をなすべきかを考え、そして行動すべきではないか。代表も、協会も、サポーターも、そしてもちろんメディアも、である。


宇都宮轍壱さんのこの意見は肯定せざるをえない。ブーイングするならまだ救いはある。ただ、この試合が初めての観戦だったとしたら。日本のサッカーはこんなレベルかとしか思えないだろう。次はないかもしれない。ワクワクしなければお金を払ってまで見に来ないのだ。そのことを忘れて日本代表興業をしていたのでは意味がない。

2戦連続無得点!岡田監督で勝てるのか?!犬飼会長「話にならない」…東アジア選手権(スポーツ報知)

ブーイングは鳴りやまなかった。試合終了と同時にピッチへ降り注がれ、約5分続いた。2試合連続、180分間ゴールが奪えない。サポーターのフラストレーションは頂点に達した。ハーフタイムにも珍しくブーイングは起こり、岡田監督の采配に疑問を投げかけるかのように「平山コール」が飛び出した。

岡田監督は何度も悔しがった。後半9分、内田の右足シュートがポストをたたいたときは、腕を組みながら天を仰いだ。同39分、大久保が左足ボレーをDFに当てると、腕をゴールに向かって振り、落胆の表情。同35分にDF長友がペナルティーエリア内でハンドの反則を犯し、PKを与えた。GK楢崎が好守で防いだが、内容は負けに等しいものだった。

「内容、結果に対して、完全に満足していることはない。でも、シーズン初めで、ここまでできたということは、そんなに問題があるとは思わない」。指揮官は2日のベネズエラ戦と比べ、攻撃の形が見えてきたことを強調したが、周囲は納得しなかった。犬飼会長は「あのままでは、W杯に行ったら話にならない」。現段階では岡田ジャパンが南アで勝つ姿を想像できないと切り捨てた。ベネズエラ戦は小笠原らテストをかねての起用が目立ったが、この日は優勝を目指し、これまでも起用してきたメンバーを中心に編成した。勝負にこだわった試合だっただけに失望感は強かった。

ピッチだけでなく、情報戦でもツメの甘さを露呈していた。5日の中国の練習は当初、19時15分からだったが、4日の夜に16時30分に変更されていた。チームスタッフはチェックし忘れ、スカウト部隊を派遣し損ねた。中国代表のビデオは入手し、研究していたが、セットプレーなど直前情報を入手できず、指揮官は激怒したという。7日は韓国・香港戦を自らスタンドでチェックすることを決めた。

岡田監督は常々、「勝負の神様は細部に宿る」と話しており、細かいツメが勝敗を分けると考えている。日本は情報戦を戦える費用も人材もそろっているのに、初歩的ミスで、無駄になった。脇の甘さはW杯本番なら、命取りだ。

ベネズエラ戦に続く、凡戦。観衆も前戦の2万7009人を下回る2万5964人と空席が目立った。点が取れない。勝てない。強くなる兆しが見えない日本代表は輝きを取り戻すことができるのか? 4強を目指すW杯まであと4か月しかない。


「岡田さんしかいない」という理由で岡田武史を監督にした日本サッカー協会。しかし、そのときの会長の川淵さんも技術委員長の小野さんも現職にはない。

勝てないと言っていても犬飼さんや原さんが決断を迫られてなにかができるのか。

今ならあと4カ月ある。サイドアタックの意識も植え付けられるはずだ。

ベスト4を望んでいるわけではない。せめて決勝トーナメントの最後の試合で勝てばノックアウトラウンド進出が無条件で決まるという状況に持っていきたいのだ。ドイツのときのようにブラジルに大量得点という難しいミッションではなく、1-0でもいいという条件ならOKだ。そこで力及ばずというのなら仕方がないし、納得できる。

ベスト4が見たいのではなく、ワクワクするような試合が観たいのだ。そのことを分かっていない岡田さんはもういらない。

2 件のコメント:

どらぐら さんのコメント...

Jリーグのクラブのファンやサポーター(つまりコアなファン)であれば、代表がW杯でどんなに不甲斐ない内容で敗れ去ろうがあまり関係ないのでしょうが、
特定のクラブのファンではない人(ライトなファン)や代表だけ応援している人は、このままでは日本サッカーに失望し、日本サッカーそのものへの関心が薄くなってしまうかもしれません。

昨日の試合を見て、これは想像以上に重症だなと感じましたが、岡田監督のコメントには危機感が感じられず。
このままではW杯で再び3戦全敗する可能性が高いです。
そして岡田さんは、W杯6試合で勝ち点1すら挙げられず、サッカー界から身を引くことになるのでしょう・・・。

kiri220 さんのコメント...

>どらぐらさん

W杯で一番負けている監督はボラ・ミルティノビッチで9敗なのですが、5つの大会に違うチーム(メキシコ、コスタリカ、アメリカ、ナイジェリア、中国)を率いて出場。
中国を除く4つのチームでノックアウトラウンドに進んでいます。
それくらいの実績がないと駄目でしょうね。
W杯での監督の連敗記録もあるのかもしれませんが、岡田さんが6連敗すると記録かもしれませんね。

そういうことに対してまったく危機感はないのでしょうかね。

昨日の試合が初めてのスタジアム観戦だったら、もう行かないと思う人もいるでしょうね。