2010年2月3日水曜日

サイドアタックの非効率性が凡戦を招いたとしかいいようがない

International Friendlymatch Kirin Challenge Cup 2010 Japan 0-0 Venezuela @ Kyushu Oil Dome

ベネズエラ戦後 岡田監督会見 (1/2)
キリンチャレンジカップ2010
(スポーツナビ)

最初に、今日のゲームの位置付けとして、(主力で臨む)シーズン最初のゲームということで、ゲーム感覚を取り戻すということ。それから今までベーシックなことをやってきましたので、ベーシックなことというのは、大学でいうと必須科目です。これはみんなが取らなければならない。ただ、それだけやればいいのではなくて、ここからは一般科目、選択科目を取っていかないといけない。これは試合の中での各自の応用力というものを、ここから成熟させていきたい、ということで臨みました。

まず、ベネズエラが素晴らしい準備をして、素晴らしいプレッシャーを掛けてくれた。これは本当にありがたいことで、その中でディフェンスに関してはほとんどピンチもなく、ロングボールの対処も、カウンターへの戻りも、非常によかったと思っています。ただ、攻撃に関してはプレッシャーに慣れていないということもあったんですが、いかんせん中盤の選手のタイプが中でプレーする選手が多くて、サイドバックを空けてボールを出させてプレッシャーを掛けるという相手に対して、中で1回、2回はかわせてもすぐにつぶされるというのが続いて、どう対処するかずっと我慢していたんです。ちょっとヒントとして、中盤が中に入りすぎるなら、サイドに1人、サイドバックを高い位置に置くのはどうかと話をしました。少しできるようになったと思うんですが、その後は大久保にサイドに張らせておいて、それからはボールが動くようになったと思っています。

どちらにせよ、非常にいい試合ができました。後半に入ったら感覚的にも慣れてきたところもあったので、これでいい形で(6日から始まる)東アジア選手権に入れると。新しい選手も試すことができたし、結果は勝てなくて残念ですけど、この試合については満足しています。


まずは岡田さんの意識を疑いたい。昨日の試合は岡田さんが初采配を振るう試合ではなかった。メンバーも中村俊輔長谷部玉田、内田を除けばベストメンバー。それにも関わらずベーシックな部分から試合に入らなければならないのかということ。それは指宿合宿で行うべきことではないのか。

そして、その確認でも岡田さんは遠藤、稲本中村憲剛、小笠原という中央でプレーしたがる選手たちをピッチに送り出した。稲本以外は全員がパサータイプ。積極的にエリアに飛びこんでこぼれ球を狙うというタイプではない。当然、中でショートパスをつないでプレスを受けて潰されるということは予想できた。

そのことに対して、もう4カ月を切った状態で、駄目だったということを言っているのだ。強豪国はいかに相手のフルバックの攻撃参加を抑えるためにサイドハーフ、ウイングを高い位置でプレーさせるかを考えているときに、サイド攻撃は両サイドのフルバックと中盤はひとりでOKという感覚。これは信じがたい。

さらに、サイドに出たのは大久保。FWを1枚削ったわけだ。その分、真ん中の選手がエリア内に絡むのならいいが、岡崎がひとり頑張っていただけ。その岡崎には相変わらず難易度の高いパスを通そうとして失敗していた。稲本や遠藤がサイドに顔を出していたが単発。W杯に一度も出場したことがないベネズエラ相手にこのレベルではベスト4など無理ではないかと言いたくなる。相手は長旅で疲れていた上に、ベストメンバーではなかったのだから。

――新戦力を試すことができたということだが、具体的には?

まず小笠原については中でプレーするタイプの選手なので、両サイドが中でプレーするタイプだと、どうしてもこういうタイプの相手だと詰まってしまう。例えばポジションをしっかりキープして、ブロックを作る相手だともう少し機能するだろうと。ただ後半になって、1人外に張って、ボランチが縦に並ぶ感じになると結構、生きるようになって、前半も決定的なラストパスとシュートを見せてくれたし、非常に満足しています。

平山に関しては、途中交代でどういうふうに流れを変えるか。正直、自分の期待以上のプレーを――平山が入るとどうしてもロングボールが多くなる心配をしていたんですけど、選手たちの間でロングボールのところと、パスをつなぐところと区別していましたし、ゴール前でやはり迫力があるなという感じは受けています。金崎に関しても、このところキャンプで意識が高くなって、今までのルーズなプレーが少なくなっていたので一度試してみたいと思っていたんですけど、彼も十分にやっていける力があるなという感想を持っています。


小笠原についてはセンターでということは、初めからサイドハーフのことは考えになかったということになる。その辺りを突っ込む記者がいないのは非常に残念なことだ。

平山について戦術が変わる心配をしていたということは攻撃に関して選手に丸投げをしていたということ。これでは監督がいる意味がない。誰がベンチに座っていても、同じではないのか。

――攻撃に関して、東アジア選手権までどういった点を中心に考えていくのか

相手の戦い方が違うと思うんですが、ああいった形でプレッシャーを掛けられたときに、怖がらずにシンプルにつないでいこうというのがあったんですが、やはりサイドに起点を作って、サイドで少し落ち着くところが必要だろうと。そのへんは選手がやっていて十分に感じてくれていると思うので。あえて修正というのはないですけど(メンバーの)組み合わせとかは考えていきます。


サイドに起点といっても中盤にサイドハーフタイプの選手を入れたわけではなく、FWを削って大久保をサイドに回しただけ。そして中盤はゴール前に飛びこんだわけではない。それでは解決になっていないのではないか。そのことをきちんと問いただしてもらいたいものなのだが。

試合後 ベネズエラ代表ファリアス監督会見
キリンチャレンジカップ2010
(スポーツナビ)

まず、わたしたちに日本で試合をする機会をくれた日本サッカー協会に感謝したい。また、このような世界的な会場で試合ができ、日本という素晴らしいサッカーをするチームを相手に、ベネズエラのここ10年の進化を見せることができたことをうれしく思う。

試合に関しては、当初は非常に計画通りに進んで、やりたいことができていた。スピードで日本に勝とうとしていたし、われわれがプレーすべき場所、プレスをかけるべき場所に進んで入るような動きができた。日本からイニシアチブをもぎ取る動きもできていたと思う。とても困難で非常に当たりの強い試合だったが、世界レベルのサッカーはこうやるんだということを学ぶことができ、とても満足して国に帰ることができる。


ファリアス監督の挨拶は謙虚な言葉で始まっている。かつては日本もそうだった。W杯に出場経験がない頃オフト監督は選手に自信をつけるためにハードな試合を何度も行っている。そのたびに日本代表は経験を積み、W杯まであと一歩というところまで迫ったのだ。

ベネズエラは今回本戦には届かなかった。しかし、強国と対戦するということでは日本より恵まれている。そのために何をすべきかいつも考えていなければならない。

この気持ちがあれば、出場することも遠い未来というわけではないだろう。

――守備に関しては素晴らしかったと思うが、攻撃に関してはつなぎはよくてもフィニッシュで跳ね返される場面が多かったが

当然のことだと思う。日本には、国際経験が豊富なセンターバックを抱えていたが、われわれ(の攻撃陣)は17歳を含めた若い選手で構成されていた。特に17歳の選手(アリスティギエタ)は今日がデビュー戦だった。その意味で、彼らの、そしてベネズエラ代表の今後に向けて、大切な経験ができたと思う。攻撃陣についてはワールドカップ(W杯)予選とメンバーが変わった。主力選手はスペインやメキシコでプレーしており、今回は招集が見送られた。そのため、どうしても後ろの選手を中心にメンバーを組むしかなかった。だから日本という相手に対して、このような試合になってしまうのも仕方がない。日本はなかなかフィニッシュをさせてくれない、非常に守備が強力なチームであることをあらためて認識した。無失点の試合が多いことも分かっていたが、実際、そのようなゲームになった。

――ベネズエラにとって新しい目標への試合だと思うが、選手の取り組みはどうだったか

われわれはこの2年間、非常に動きが多かった。新しい世代が力を発揮しつつある。われわれはW杯予選の最後で通過の希望がついえたという経験をした。ブラジルとアウエーで引き分け、その結果、本大会への切符を手にすることができなかった。その経験をきっかけに、サッカーのベースとなる世代をもっと広げていこうと考えた。そしてその最初の段階として、まず日本という国のあり方を学ぶことにした。日本の秩序だったサッカー、そして非常に低いランクからスタートして、今では世界でも有数のサッカー大国となった日本。この経験を、われわれの国に重ねることができるのではないか。われわれもサッカーの低いところから、いずれサッカー大国になり、W杯で戦えるくらいになれるのではないか。

もちろんわれわれも(W杯予選で)ブラジルやアルゼンチンやパラグアイといった大国と戦った経験は持っている。また、今回は本大会に出場できなかったが、すでにW杯を経験している国々もある。ベネズエラは、そうした国々に近づいていると思っている。今回の試合を、4年後に向けた努力のスタートラインとして活用したい。今回の試合は、非常によい教訓と経験を与えてくれた。日本に来たこと、そして得られたことをうれしく思うし、自分たちの経験を子供たちにも伝えられたらと思う。


ベネズエラはアジア予選も勝ちあがれなかった日本代表がW杯本戦に連続出場できるようになったということを貪欲に学ぼうとしている。日本より強い国はいくらでもあるのに強国から学ぶことをしないでベスト4と煽り立てている岡田さんとはえらい違いだ。

もし、日本がグループステージで敗退すれば、メキシコ五輪以降の冬の時代よりもっとひどいことになる可能性があるにもかかわらず。

日本のファンはもっと成熟している。どれくらいの立ち位置なのかは理解しているファンが多いはずだ。そのファンを説得する、あるいは納得させるためにはベネズエラに完勝しなければならなかったはず。それができないというのはまだトップレベルにはないという証拠なのではないか。

凡戦の勝者は誰か? (1/2)
日本代表 0-0 ベネズエラ代表
(スポーツナビ)

ワールドカップ(W杯)イヤーとなる2010年。国内における日本代表のファーストマッチは、大分の九州石油ドームで開催された。対戦相手は、南米のベネズエラ代表。この試合については、かねてより心配していることがあった。それは日本代表のコンディションでも、相手チームの本気度でもなく、チケットの売れ行きが芳しくないことである。

現地・大分では、試合前日まで、代表戦の告知CMが流れていたという。それも民放3局で「チケット、まだあります!」と宣伝していたのだから尋常ではない。私もホテルで執筆中にチラリと見たが、いかにもありものの映像素材をつなぎ合わせたような作りで、クライアントの慌てっぷりが手に取るように伝わってくる。ちなみに今回のチケットは、最も高いカテゴリー1が6000円、最も安いカテゴリー4が2010円(一般)。2~3年前に比べれば、かなり良心的な価格帯となっている。

代表人気に陰りが見えるようになったのは、もちろん今に始まったことではない。だが、今年がW杯イヤーであること、そしてかつては地方開催であれば飛ぶようにチケットが売れたこと。以上2点を考えると、事態の深刻さを痛感せずにはいられない。

もちろん、大分の人々が代表に冷淡であるわけではない。そうではなくて、代表戦のスタンドを埋め尽くすライト層に対して、今の日本代表が魅力的に映らない――そう、とらえるべきだろう。今年、W杯があるといっても、そして本大会で「ベスト4を目指す」といっても、そこに夢やロマンといった高揚感を覚える日本国民は、実はそれほど多くはない。かような現実が、代表戦での空席となって如実に表れているのである。

九石ドームのスタンドは、キックオフ1時間前になっても、さらには30分前になっても、なかなか埋まることはなかった。代表サポーターが陣取るゴール裏はブルー一色になっていたものの、反対側のゴール裏とバックスタンドは見事なまでにスカスカ。最終的には「2万7009人」という数字が発表されたが(会場でのアナウンスはなかった)、空席の目立つ代表戦のスタンドは、およそ祝賀ムードからは程遠く、何やら代表の2010年の船出が、決して順風満帆ではないことを象徴しているかのようである。もちろん、単なる私の杞憂(きゆう)であればよいのだけれど。


昨日のゲームの観客動員数が少なかったことは日本代表の試合が魅力的に映らないことと無関係ではないだろう。にわかファンやスターが見られればいいというファンならともかく、今多くのファンはヨーロッパのサッカーもJリーグも見て、スピードの違い、スペースの違い、戦術の違いをよく知っている。彼らから見れば、今の日本代表は10年前とほとんど変わらない守備重視のエンターテイメント性に欠ける試合をやっているとした思えないはずだ。

その結果、いくら良心的な値段設定にしても、観客は集まってこない。岡田さんがやっているサッカーには訴求力がまったくないのだ。

注目は、何と言っても小笠原の復帰だろう。代表の青いユニホームに袖を通してピッチに立つのは、06年W杯のブラジル戦以来、実に4年ぶりのこと。と同時に、あらためて驚かされるのが、4人のMFのうち中村憲を除く3人が、いわゆる「黄金世代」であることだ。中盤の顔ぶれが、何やら4年前に戻ったかのような錯覚さえ受ける。海外組が呼べないエクスキューズがあったとはいえ、これだけ岡田監督が若手にチャンスを与えてきたのに「意外と(選手層が)薄い」。それゆえ「黄金世代」に頼らざるを得ない、というのは、これはこれで素直に喜べない日本サッカー界の現実であったりする。


小笠原の復帰は黄金世代の再形成と変わらない。そして、この事実は日本代表がジーコ体制で臨んだドイツでの失敗を意味している。ドイツで通じなかったサッカーをまた南アフリカで繰り返そうとしているのだ。小笠原が入ったところで中央のパス交換が増えるだけ。相手は外からプレスがかけやすくなる。そして、ボールを奪われ、サイドアタックで簡単にゴール前になだれ込まれる。その図式が見えてきそうなゲームではないか。

前半の日本の攻撃が機能しなかったのには、もちろん原因がある。

まず小笠原にしても中村憲にしても、中央でプレーしたがるタイプの選手であったこと。「どうしても、こういうタイプの相手だと(攻撃が)詰まってしまう」とは岡田監督の弁。一方、当の小笠原は「(サイドバックに)もうちょっと出てきてほしいかな、というのはある。それとサイドチェンジをもっと狙ってほしい。鹿島では(サイドが)どんどん出てくるので」。それでは、サイドの人間の言い分はどうか。徳永は「満男さんは中に入ってキープして、タメて時間を作るという部分がある。そういう特徴を理解しながら上がるタイミングを計らないと」と語っている。これまで、不動の右サイドバックだった内田篤人が出場していれば、同じ鹿島所属の小笠原との連係ももっとスムーズだったかもしれない。だが、このところの体調不良のため、スタメンは徳永。指宿合宿では評価を高めていた徳永だったが、この日は思うようなプレーを見せるには至らなかった。

攻撃に改善が見られたのは、後半14分の交代だった。徳永と中村憲を下げて、駒野友一と平山を投入。駒野が右サイドに、そして平山が岡崎とツートップを組み、大久保は2列目に下がって左サイドに張りつく。すると、右の駒野からクロスが入ったり、左の大久保が起点となって、稲本や小笠原とのパス交換からサイドを崩すようになり、さらに折り返したボールを平山や佐藤寿人(後半30分に岡崎と交代で出場)が迫力あふれるプレーでシュートを放つ場面も見られるようになった。とりわけ、後半の大久保の活躍ぶりには目を見張るものがあった。玉田圭司が右内転筋を痛めたために、代わって前線での起用となったが、後半の左MFでの仕事が最も光っていた。いずれにせよ、トップでも中盤の中央でもサイドでも使える大久保は、今後も指揮官から重宝され続けることだろう。


ずっと日本代表のゲームを観てきている宇都宮さんでさえこの認識かと考えてしまう。

小笠原はライトバックのあがりに期待していた。彼は中盤ボックス型の右サイドのポジションを任されていたのだが、彼がサイドで仕掛ける場面はまったく見られなかった。彼がサイドで仕掛ければ、徳永の負担もずいぶんと軽くなったはずなのだ。

フルバックは縦100メートルのピッチを何度も往復しなければならない。しかも全力であがり、相手を抜き、精度の高いクロスを要求される。

サイドハーフなら半分の距離。

どちらが攻撃参加しやすいかは素人が考えてもわかる。

日本は中盤の運動量と両サイドの運動量が極端に違ういびつな形を描いている。

通常はサイドハーフの運動量のほうが多くなくてはならないのだが、彼らは昨日いったいどれくらいの距離を走ったのだろう。

2 件のコメント:

S-Kyo さんのコメント...

いやいや~♪

全部言いたい事は仰って頂きました(笑)

その大半を今日書こうと思っていましたが全部書かれている感じなんでやめとこうかなって^^;

宇都宮さんの大久保が一番光っていたというのも何だかなーと思ってました。

前半から気合空回りのファールばかりで、後半も監督の指示でようやく居場所を得ただけに過ぎず、しかも縦への突破は少なくサイドアタッカーとしても中途半端な印象しか残りませんでした。

東アジア選手権での北朝鮮、韓国というW杯出場国との対戦は非常に興味深い対戦になりそうです。

それにしても、いよいよ盛り上がってきましたね☆

kiri220 さんのコメント...

>S-Kyoさん

言いたいことを言ってしまっていましたか。
少し残しておけばよかったですね(苦笑)

守備陣が目立たなかったのは、ベネズエラの攻撃がそれほどでもなかったから当然として、攻撃陣で一番光っていたのが大久保っていうのが悲しいですね。

サッカーはストライカーありきでいかに点をとらせるかというゲームのはずなのですが、それがわかっていないのでしょう。

東アジア選手権には北朝鮮は参加しないのですよね。
香港が勝ち上がってきたので。

韓国と対戦する最終日は楽しみですね。