「岡崎がかわいそう」3トップに不満続出(スポーツニッポン)
日本代表は15日、南アフリカ戦を戦ったポートエリザベスからヨハネスブルクへ移動。その後、18日にアジア杯最終予選を戦う香港へ向けて出発した。南ア戦では岡田監督が試合当日に4―3―3の新システム採用を決定したが、9月のオランダ戦以来5試合ぶりの無得点。「個人的には2トップの方が凄くやりやすかった」(大久保)「あれじゃ岡崎がかわいそう」(長谷部)など3トップの問題点を指摘する声が選手からも続出した。
「前が足りない?そうですね。フォローが…ですね」と岡崎が話したように、3トップは両ウイングがサイドに開くため2トップと比べ中央のFWへのサポートが減る。サイドバックがオーバーラップするまでボールをキープできず、持ち味のサイド攻撃につなげられなかった。右サイドバックの内田も「3列目が上がる時間がなかった。もう少し時間をつくってくれないと」と嘆いた。
後半開始から4―4―2にシステムを戻して流れは変わったが、貴重なアウェーでの試合を使った“実験”は失敗。香港戦は欧州組も含めたベストに近いメンバーで一からやり直す場となる。
大久保、長谷部のコメントから、日本代表の選手たちは4-1-2-3システムをまったく理解していないことがわかる。
このシステムはバルセロナのようなポゼッション重視のクラブ、モウリーニョ時代のチェルシーのようなカウンター主体のどちらにも使えるのだが、戦術理解がなければまったく機能しない。岡田が選手を配置しただけでシステムの有効性を説明できなかったこともあるのだろう。
岡崎は孤立したままでボールをキープすることができなかった。
もちろんフォローがなかったというのはその通りだろう。だが、大久保も本田圭佑も両サイドにワイドに開いてウイングとして振る舞ったわけではない。大久保は常に低い位置でプレーしていたし、本田圭佑も中央に寄りすぎていた。4-1-2-2-1というかたちで稲本をアンカーにして、大久保、本田圭佑、遠藤、長谷部の4人がバイタルエリア付近でごちゃごちゃしていた印象を受けた。
ここでバルセロナのようにポゼッションを保てればいいのだが、バルセロナはウイングが両サイドに張るという約束ができている。プレスも半分からしかかからない。そこから中に切れ込むと言うのが約束でポゼッションで時間をためている間に両サイドのフルバックが上がってくる。
だが、選手たちは一発で前に放り込み、結局は岡崎が孤立してフォローがないという状況になってしまった。カウンターして使うならワイドに開くべきウイングが低い位置でプレーしており、使いようもなかったと言える。
これでは4-2-1-3は機能しない。2列目がごちゃごちゃと真ん中に寄っているだけで機能不全に陥っただけだ。
大久保がヨーロッパで通用しなかったのも戦術理解の差、長谷部が中心選手となれないのもそのためかもしれない。
本田圭佑の場合は遠慮してバランスをとっていたのか、それとも本当に戦術理解が足りなかったのか判断に苦しむが、彼も使えないとなると日本は明らかに判断力で劣ることになる。
セミファイナルまで目指すのなら、プレーの質とともに判断力を上げる必要があるだろう。プレーが遅れればそれだけ不利になる。そのことはきちんと考えなければならないだろう。
2 件のコメント:
俊輔が頭から使えないということで、急遽採用された4-1-2-3ですが、
やはり短期間の練習ではダメなのか、それとも(kiriさんの仰るように)選手の戦術理解のなさのせいか、機能していたとは言い難かったですね。
単純にシステムに慣れてないから、という理由もあるかもしれません。
そもそもJ1のクラブでこのシステムを採用してるクラブがあまりないですしね。
(今季に限れば、一時期の新潟ぐらい?)
長谷部の所属するヴォルフスブルクも違うシステムですし。
>どらぐらさん
バルセロナはカンテラ時代からこのシステムでやっていますからね。
熟成度ではかなわないでしょう。
それにもっとも研究されているシステムなので、対応もしやすいのでしょうね。
Jリーグで基本形のシステムというのがないですし、ブラジルスタイルだったりヨーロッパスタイルだったり、トルシエの遺産だったりとバラバラですからね。
その中でビルドアップまで含めると難しいのでしょう。
たぶん、甲府の大木さんが使っていたシステムをそのまま当てはめてみたのではないでしょうか。
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