2010年4月18日日曜日

日本代表の問題は岡田さんのうつでなく信頼関係では

Kirin Challenge Cup 2010 Japan 0-3 Serbia @ Nagai Stadium
Serbia:Mrđa 15,23,Tomić 60

岡ちゃん“うつ病説”否定したけど…それでも消えない後遺症(ZAKZAK)

一部週刊誌が、サッカー日本代表の岡田武史監督(53)について「“対人恐怖”うつ状態」と報じた騒動は、日本サッカー協会・犬飼基昭会長(67)が16日に明確に否定したことで沈静化した。課題山積みの代表を抱え、岡田監督の表情が冴えないのは事実ではあるが…。

2月の東アジア選手権と今月のセルビア戦に惨敗したことで岡田監督の株は右肩下がり。去就問題も浮上し、画面に映し出される表情はどこか悲しげ。「悲壮感が漂っているなあ」と日本協会の川淵キャプテンも心配するほどだった。

ところが実際はそうでもないようだ。犬飼会長と岡田監督が15日に会談した席でのこと。

電車の中吊り広告で記事を見た犬飼会長が「おい、岡田。おまえうつ病なのか?」と直接尋問。「えっ? だから朝から電話が多かったんですね。ラモス(瑠偉氏)からも電話ありましたよ。アハハ」と笑い飛ばしたという。

確かに岡田監督の「顔」は笑顔の似合うイケメンとは言い難い。しかし、サッカーの現場を離れれば無類のワイン好き。カラオケでは、マイクを独り占めして南こうせつやムード歌謡の「花から花へ」などを熱唱する。「サッカー界であんな明るい男はいないよ」と話す関係者も多い。

セルビア戦の内容はひどかったが、岡田監督は「もう、吹っ切れた」と切り替えが完了したことを強調している。犬飼会長も全面バックアップの姿勢を崩していない。

「セルビア戦のことは2人で十分話し合ったから大丈夫」と岡田監督への信頼感に変わりがないことを、うつ病騒動を期に改めて表明。2人の蜜月関係はさらに強まった。あとは岡田ジャパンの最後の追い込みに期待するのみ。果たして心の底から笑える日が来るかどうか…。(夕刊フジ編集委員・久保武司)


ZAKZAKの報道は週刊文春4月22日号で報道された記事に対するもの。実際の記事では週刊文春はうつについては一部分で、それ以上の日本代表の問題を検証しているのだが、その部分には一切触れていない。わかりやすくするために週刊文春の記事を引いてみよう。(週刊文春は現在絶賛発売中。サッカー記事だけではなく、他にも興味深い記事が載っています)

これでは戦えない! 岡田監督”対人恐怖”うつ状態 サッカー日本代表惨敗でついにコワれた(週刊文春4月22日号)

「『監督を信じてやる』って言ってきましたが、最近は正直なところ、『信じてやるしかない』って感じですね……」
 サッカー日本代表の主力DFが、悲壮感を漂わせてこう語っているという。四月なのか、セルビア代表との親善試合で〇対三の大惨敗。ワールドカップの本番まで二カ月を切った今、指揮官・岡田武史監督(53)の精神状態に異変が起きている--。

 セルビア戦の会場となった大阪・長居スタジアムは、試合後、サポーター挨拶をする選手に紙コップが投げ込まれ、岡田監督にも『セレッソ(大阪)より弱いんちゃうか!』と罵声が浴びせられた。
 全国紙サッカー担当記者があきれ顔で言う。
「セルビアはW杯予選に出場した選手がほとんどいない寄せ集めの”三軍”で、練習は二、三日だけ。指揮をとったのは本来の監督ではなく監督補佐で、時差ボケもありました。そんなチームに一蹴されたわけですから、ファンの怒りも当然です。この二年半、年俸一億円以上と言われる岡田監督は何をやっていたのか。岡田さんの半額でいいから、セルビアの監督補佐を代表監督に呼べという冗談も記者の間で出たほど」
 岡田監督本人にとっては、もちろん冗談では済まない。

鳩山首相よりもブレブレ

「苦言を呈すべき日本サッカー協会会長の犬飼基昭氏が『ショックを受けているようだった。慰めてやって下さい』と我々記者に言うほど、監督は惨敗に青ざめていたようです」(同前)
 試合終了の笛と共に岡田監督はロッカーへ引き上げてしまったが、これが今の精神状態を物語っている。
「予定されていたテレビのインタビューをすっぽかし、煙草を吸って気を落ち着かせていたようです。人前に出られる精神状態ではなかったんでしょう。サッカー協会が、中継した日本テレビに謝罪したそうです」(スポーツ紙記者)
 別のスポーツ紙記者も心配顔で言う。
「岡田さんは最近、会場で挨拶しても返事すらしてくれない。元々追い込まれると全く喋らなくなる人でしたが、結果が出ない今は皆が敵に見えちゃっているんでしょう。”対人恐怖”というか、鬱のような感じにすら見える。セルビア戦の翌日は親交のある先輩、ガンバ大阪の西野朗監督との面会すら『気まずい』と拒否したそうですから」
 セルビア戦の夜はホテルの部屋にこもって深夜までヤケ酒をあおり、翌朝は酒の匂いを漂わせながら、充血した目で報道陣の前にあらわれたという。
「最近は会見でもおかしいんです。代表戦に観客が入っていないことを問われると『お客さんのことまで背負いきれない』とキレかかった発言をするし、セルビア戦の反省として『日本ではかなり強い個(の力)でも、世界では通用しないことがわかった』なんて、今更わかりきったことを言う。自分が何を言っているのか客観視できなくなっているんでしょう」(同前)
 そんな状態では、チーム作りもままならない。
「これまでは『誰かがいないとできないようなサッカーはしない』と宣言してきたのに、セルビア戦後は『メンバーが欠けてしまうと同じ戦い方はできないと感じた』と。仕上げの時期なのに、方針は鳩山首相よりブレブレです」(同前)
 より深刻な問題は、冒頭に記したように、岡田監督から選手の気持ちが離れ始めていることだろう。
 スポーツ紙デスクが語る。
「キャプテンの中沢佑二が『メンバー選考にみんな恐怖を感じている』と語っているように、今、選手の頭にあるのは、岡ちゃんの逆鱗に触れてメンバーから外れないようにすることだけ。みんなW杯出場という肩書きが欲しいですから。試合でもリスクのある思い切ったプレーはしないし、表立って監督に意見することも絶対にしない」
 だが、やはり本心は別。
「ある中盤の主力選手は『岡田さんのサッカーは現実的じゃない。練習も高校生みたいだし』と親しい記者に度々不満を漏らしていますし、あるFWなどは『ベスト4? めんどくせー』と監督が掲げる目標すら鼻で笑っている状態です。悲しいことに、一枚岩で戦うチームには到底見えません」(同前)
「もはや監督交代しかない」と「サッカーダイジェスト」編集長の吉田治良氏は断言する。
「セルビア戦はテストと称して初招集のDFを使っていましたが。この時期に至ってセンターバックの控えすら見つけられていない監督は、世界中のどこを見てもいません。時間がないと言いますが、そんな監督なら代えたほうがいい。本当に死んでしまう前にカンフル剤を打たなければ」
 だが、後任監督の候補はいるのだろうか。日本代表関係者が明かす。

ヤル気をみせるトルシエ

「もちろん、緊急事態のための準備はしていると思います。ただ、海外の有名監督は現実的じゃない。選手の顔と名前を覚えたころにはW杯が終わってしまいますから。Jリーグで結果を残している鹿島のオリヴェイラや名古屋のストイコビッチの両監督にしても、両チームとも外国人選手が中枢にいるわけで、代表とは勝手が違う。代表には積み重ねてきたものもあるし、もしもの時はコーチの昇格が自然でしょう」
 だが、前出のデスクはこう反論する。
「岡田さん以上に”小粒”なコーチ陣の昇格はやめて欲しい。選手たちからも『あの人たち、練習中いつも突っ立ってるけど何してるの?』と言われているようなコーチ陣です。たまに選手のストレッチを手伝っているのを見かけることはありますが(苦笑)」
 多くの関係者が「ウルトラC」と言いつつ名を挙げるのが、元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(FC琉球総監督)だ。
 トルシエ氏が語る。
「岡田監督を雇ったのは協会の責任なのだから、本人が辞めると言わない限り、協会はサポートし続けるべきだ。
 ただ、これは自分が望んでいるわけではないが、もち万が一の際には、Jリーグの監督たちは契約の関係上難しいだろうから、動きやすいのは私だ。日本人選手のこともアフリカのこともよく知っている。私のことを知っている選手も残っているし、短期間でもやれることはたくさんある。チームに新しい刺激をもたらすことはできるだろう」
 四月十六日から岡田監督は日本を”脱出”して、欧州組の視察などで各国を巡り歩くという。だが、日本代表にいま必要なのは、岡田監督の”癒しの旅”などではなく、過ちを認めて未来へ歩きだす、勇気ある決断なのだ。


問題の根本は岡田さんと選手間との信頼関係が壊れていることにあると書かれている。その点を日本サッカー協会は心配すべきなのに、犬飼さんの言葉は体調を気遣うことばかり。これではサポーターが怒り、岡田擁護をして大本営発表をしつづけてきたマスコミが突如岡田否定に回った意味がない。

解任報道にしても外国の名将は顔を名前どころか、プレーをみて判断する。だから、日本代表関係者の心配は杞憂なのだが、それもわかっていない。

という問題を岡田さんの体調だけということにしてしまう協会の体質が心配だ。

週刊文春は絶賛発売中です。と二度も宣伝したし、引用はご容赦を。

4 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

ベスト4をめんどくせーと言ってしまうFW。

誰でしょうね(苦笑)!?

外見から判断するとコーロキかなと思ったりw

それにしても、ここまで状況が悪化してから、監督は辞めさせるべきと語るサッカーダイジェストやマガジンの論調にはがっかりします。

何を今更と。

もっと早くからわかっていただろうに。

何ら手立てを打たない岡田を野放しにした責任はあなた方にもあるのではないかとすら思えてきます。

いっそのこと、嘘でもいいから鬱病になって頂いて退いてもらった方が余程、日本代表にとっては良いことかと思いますね^^;

どらぐら さんのコメント...

週刊誌に書いてあることを鵜呑みにするつもりはありませんが、岡田監督のやり方に疑問を持つ選手がいてもおかしくないでしょうね。
選手が「親・岡田派」と「反・岡田派」に分かれて、4年前の二の舞にならないか心配です。

kiri220 さんのコメント...

>S-Kyoさん

誰でしょうね(笑)
サッカーダイジェストやマガジンはいまさらながら更迭論ですか。

サッカー批評は最新号で東アジア選手権後に岡田を更迭すべきかどうか、サッカージャーナリストに聞いているのですが、ほとんどがノーなのですよね。
危機感がないというか。

たしかに今、岡田さんが体調不良で入院しても誰も本気にはしないでしょうけど、新監督というだけでファンはもっと期待できるでしょうね。

kiri220 さんのコメント...

>どらぐらさん

週刊誌の記事は面白く構成されていますから、すべてが正しいとは限りませんね。
ただ、こういう不協和音が出ているのはたしかでしょう。
選手が監督を信じられなくなったら終わりですからね。
海外のクラブでは成績が悪くても絶対に監督の悪口を言わないものなのですが。。。
少なくとも在任中は。